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知ってビックリ! 健診のウソ・ホント

血圧は低いぶんには心配ない?

 田村知子=フリーランスエディター

会社勤めを続けている限り、避けては通れない職場の健康診断。自覚症状のない病気を見つけてくれるのは有難いが、仕事に追われるなかで再検査を受けるのはできれば避けたいのが人情。異常値を指摘されたとしても、どこまで生活を見直せばよいのか、今ひとつ釈然としない人も多いだろう。このコラムでは、各種検査への臨み方や結果の見方、検査後の対応など、誤解交じりで語られやすい職場健診についてわかりやすく解説する。

Q  血圧は低いぶんには心配ない?

A  普段健康であれば基本的に心配はいらないが、立ちくらみなどの症状があれば、原因として心臓や神経・ホルモン系の異常も考えられる。収縮期血圧が100 mmHgを切ると、脳貧血や脳梗塞などを起こすことがあるので要注意。

 高血圧は、動脈硬化を引き起こして脳卒中や心筋梗塞などのリスクを高めることが、一般にもよく知られている。職場健診でも、日本高血圧学会による以下の血圧値の分類の指針に基づき、血圧値を判定している場合が多い。

成人における血圧値の分類
[画像のクリックで拡大表示]
「高血圧治療ガイドライン2014」(発行:日本高血圧学会)を基に編集部で作成

 この指針によると、いわゆる“上の血圧”と呼ばれる収縮期血圧(最大血圧)が130 mmHg未満かつ、“下の血圧”と呼ばれる拡張期血圧(最小血圧)が85 mmHg未満であれば「正常血圧」。収縮期血圧が140 mmHg以上または拡張期血圧が90 mmHg以上であれば「高血圧」とみなされ、改善が求められる。

 一方、低血圧には明確な判定基準はなく、一般的には収縮期血圧が100 mmHg未満の時に「低血圧」と呼ばれている。

 低血圧が疑われる症状は、全身の倦怠感をはじめ、めまい、立ちくらみ、頭重感など。血圧が低いと脳への酸素供給量が減少し、いわゆる脳貧血の状態になりやすいためだ。早朝の低血圧では、寝起きが悪いという症状も出やすい。また、普段は血圧が正常範囲内でも、例えば椅子から立ち上がった時や、横になった状態から起き上がった時などに脳貧血を起こして急にふらついてしまうのは、「起立性低血圧」の症状。起立後3分以内に収縮期血圧が20 mmHg以上下がる場合にそう呼ばれる。

治療の要否は、血圧の値だけでは決められない

 慶應義塾大学医学部総合診療科講師の平橋淳一氏は、「診察に当たっては、単純に血圧の値だけで判断するのではなく、全身の倦怠感やめまいなど、症状の有無から治療すべき低血圧かどうかを判断しています」と話す。

 「例えば、20~30代の若い人では収縮期血圧が80~90 mmHgと低い人も多く見られます。通常、年齢とともに血圧は上がっていきますが、中高年でも血圧がもともと100 mmHg以下と低い人もいます。いずれも、症状がなければ治療対象とはしません。一方で症状が顕著な場合には、虚血性心疾患や不整脈、神経・内分泌疾患などが潜んでいることがあるため検査が必要です」(平橋氏)

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