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「わたしも、がんでした」

企業へ、職場の人へ、同僚が、社員ががんになったら?

病院編 がんと共に生きる、働く時代がやってきます(5)

 堀田 知光=国立がん研究センター理事長

 とはいうものの、企業の方は、いったいどこから手を付ければいいか、頭を悩ませることが少なくないと思います。企業は、社員ががんにかかったときどう対応すればいいのでしょうか。公的な相談窓口はまだ十分に整備されているとはいえませんが、がん診療連携拠点病院のがん相談支援センターで対応できるようになりつつあります。がん相談支援センターとは、全国約400箇所のがん診療連携拠点病院に設置されていて、さまざまな相談を受け付ける機関です。

図2◎ がんに関する様々な情報
図2◎ がんに関する様々な情報
「がん情報サービス」はこちらから。
[画像のクリックで拡大表示]

 また、国立がん研究センターでは、2012年度から就労支援についての調査研究を始めています。そのほかにも、就労支援に役立つツール(例えば、手帳形式で個々の患者の状態・就労可能な内容・治療上必要な休暇などが記載できるもの)を作成しているがん相談支援センターなどがあります。ぜひ、こうした専門機関にお尋ねください。

企業や職場もまた「当事者」

 なにより重要なのは、企業や職場もまた「当事者」という意識を持っていただくことです。患者さん本人の人生設計、収入の維持、人間関係において、その人の職場はとても大きな存在です。だからこそ、がんにかかった社員の希望や不安ときっちり向き合い、病状や必要な治療のための休暇などについて話し合い、可能なかぎり、その企業で仕事を続けられる方法を考え、実行する。企業や職場によっては、とても負担の大きい課題かもしれません。しかし、一方では企業は勤労者にとって、安心できる職場環境を提供する社会的な存在です。ぜひ患者さんを支える職場環境の整備へのご協力をお願いします。

 私たちも、企業が社員のがんに対応できるよう、サポートの手段をより豊富に用意していきたいと考えています。

 次は、治療を受ける上で病院とどう付き合っていけば良いのかをお話します。

国立がん研究センターがん対策情報センター編
『わたしも、がんでした。 がんと共に生きるための処方箋』 (日経BP社、2013年9月発行)より転載


堀田 知光(ほった ともみつ)さん
国立がん研究センター理事長
堀田 知光(ほった ともみつ)さん 1969年名古屋大学医学部卒業。独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター院長などを歴任後、2012年より現職。厚生労働省「未承認薬使用問題検討会」座長ほかさまざまな政府委員も務め、ドラッグラグ解消やがん登録推進などの課題にも積極的に取り組んでいる。

『わたしも、がんでした。 がんと共に生きるための処方箋』
(国立がん研究センターがん対策情報センター編、日経BP社)好評販売中

 医学の進歩によって、「がん=迫りくる死」ではなくなっています。実はかなり多くの人が、がんと共に社会で暮らしています。しかし、がんと共に生きることや働くことは、日本社会ではまだまだ普通のことと思われていません。がんと共に生きるとは、働くとは実際にはどういうことなのか。それを知っていただくために、本書ではがんに関わる当事者の方々に語っていただきました。──「はじめに」より

>>詳しくはこちら(Amazonのページにジャンプします)

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