昭和世代の庶民のヒーローと言えば、寅さんこと車寅次郎。『男はつらいよ』の主題歌にある、「目方で男が売れるなら、こんな苦労もかけまいに♪」というフレーズは、泣けます。
2008年4月に導入された「メタボ健診」では、何とも屈辱的なことに、40~75歳の中高年男女は、有無を言わさず“痛くもない腹”を測られることになりました。男であれ女であれ、その価値は体重やウエストの大小では決められません。が、「内臓脂肪に生活習慣病が重なると、多くの病気が起こる」というメタボリックシンドロームの本質を捉え、適切な対処をしなくてはなりません。
その発明により日本人がノーベル賞に輝いた青色発光ダイオード(LED)のおかげで、照明のための資源消費は著しく抑えられるようになった。江戸時代は、灯りといえば油。菜種油は、灯火の燃料として貴重品だったため、庶民の口に入ることはほとんどなかった。
狩猟時代を除けば、日本人が脂肪・油を多く摂取するようになったのは、明治の文明開化で肉食と共にガス灯が普及して、油が食用に回るようになってからだ。本格的に食生活の西欧化が始まるのは戦後だが、日本人が動物性油を大量にとれるようになってからまだ歴史は浅い。
戦後、蛋白質と脂肪の摂取が増えた半面、炭水化物と食塩が減り、ビタミンやミネラルが増え、高血圧や低栄養から来る脳卒中の減少に効果を上げたことは、日本を世界一の長寿国に押し上げた一因ともなった。
しかし、過栄養の現代では、血液中に脂質が増えすぎて起こる動脈硬化は大問題だ(前回記事「脂質異常症の患者・予備軍は、30歳以上日本人の約3割」参照)。日本動脈硬化学会では、「脂質異常症を改善する食事」として、「伝統的な日本食(The Japan Diet)を基本とすること」を提唱しており、タイプ別にポイントをまとめている。
- 高LDLコレステロール(LDL-C)血症 ・コレステロールと飽和脂肪酸(動物性脂肪)を多く含む肉の脂身、内臓、皮、乳製品、卵黄および、トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニングなど)を含む菓子類、加工食品の摂取を抑える
- 高トリグリセライド(中性脂肪)血症 ・糖質を多く含む菓子類、飲料、穀類の摂取を減らす
- 低HDLコレステロール(HDL-C)血症 ・トランス脂肪酸(マーガリンなど)の摂取を控える
・食物繊維と植物ステロール(脂質の1種)を含む未精製穀類、大豆製品、海藻、野菜類の摂取を増やす
・アルコールの摂取を控える
・n-3系多価不飽和脂肪酸(エイコサペンタエン酸〔EPA〕、ドコサヘキサエン酸〔DHA〕など)を多く含む魚類の摂取を増やす
・n-6系多価不飽和脂肪酸(リノール酸など)を多く含む植物油(大豆油、コーン油、サフラワー〔紅花〕油など)の過剰摂取を控える
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