手術不能の肺がんの治療成績を大きく改善した「分子標的薬」
肺がんのスタンダードな治療について教えてください。
高橋 肺がん治療は、がんのタイプや病期によって異なります(図3)。非小細胞肺がんは、IIIAの途中までは手術で切除するのが基本です。がんが3cm以下でリンパ節転移のない初期(IA)であれば、手術単独で5年生存率が90%なので、手術だけとする場合もあります。でも、がんが3cmを超え、肺近くのリンパ節や縦隔(*3)への転移があるII~III期になると、手術だけでは不十分です。再発リスクを減らすために、抗がん剤による術後化学療法を併用するのが一般的です。IIIAの後半~IIIBで、手術でがんを取りきれない場合は、手術は行わず、放射線療法と化学療法を併用します。