症状が出なければ、治療しなくてもよいのでしょうか。
赤星 「皮質白内障」や「後嚢下白内障」であれば、基本的に生活に支障が出たときに治療を開始すれば問題はありません。ただ、「核白内障」の場合は放置するのは好ましくありません。このタイプは進行すると水晶体が硬くなるため、手術の際にたくさんの超音波エネルギーが必要になり、そのエネルギーによって、角膜(目の一番表面の膜)を傷めてしまう可能性が高いのです。術後になかなか視力が回復しなかったり、もともと角膜が弱い人は角膜が混濁して元に戻らず、角膜内皮細胞移植が必要になる場合もあります。また極度に進行した核白内障では、手術の最中に、水晶体を包んでいる膜が破れてしまうこともあります。