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名医が解説! 最新治療トレンド

キスでも感染! 急増する梅毒、どう防ぐ・どう気づく?

出たり消えたりする症状を見過ごし、感染拡大を招く恐れも

 田中美香=医療ジャーナリスト

 梅毒がなぜ増加しているのか、なぜ若い女性に増えているのかは、まだ明らかではありません。セックスワーカーに多いともいわれますが、梅毒に感染する一般女性もいます。パートナーの男性が風俗店を利用したのかもしれませんが、詳しい感染経路までは断定しがたい状況です(*1)。

 来日する外国人が増えた時期と、梅毒が増えた時期が一致するため、外国人が感染源ではないかという説もあります。しかし、これも推測にすぎず、確かではありません。

*1 岡山市保健所が独自に行った調査では、異性間接触で梅毒に感染した男性の約7割が、数カ月以内に風俗店を利用していたという。また、女性は、梅毒感染者の4人に1人がセックスワーカーという結果だった。この結果を受け、岡山市では梅毒に関するリーフレットを作成するなど、注意喚起を行っている。関連記事:「男性の梅毒患者、7割超が風俗店を利用

梅毒は、多彩な症状が出たり消えたりする

梅毒に感染すると、どのような症状が出ますか。

石地 梅毒の主な感染ルートは性的接触で、梅毒トレポネーマが粘膜を介して感染します。症状は4段階に分けられます(表1)。

表1 梅毒の症状は多岐にわたる
第I期
(約3週間)
  • 陰部や口腔内・口唇にしこり(初期硬結)ができる
  • しこりが崩れると潰瘍になる(硬性下疳;こうせいげかん)
  • 脚の付け根のリンパ節が腫れる
第II期
(約3カ月~)
  • 手のひら・足の裏に暗赤色の発疹が出る(梅毒性乾癬、写真)
  • 全身にピンク色の発疹が現れる(バラ疹)
  • 陰部や肛門に平べったいイボができる(扁平コンジローマ)
  • 微熱、倦怠感がある
第III期
(3年~)
  • 皮膚や骨・筋肉にゴムのような柔らかい腫瘍ができる(ゴム腫)
第IV期
(10年~)
  • 中枢神経が侵される(神経梅毒)
  • 大動脈瘤など、心臓・血管の異変が起こり、死に至ることもある

 第I期では、感染した場所に小豆大のしこりが現れます。このしこりは、性行為で接触した陰部の粘膜にできるのが典型的です。オーラルセックスでも感染するので、唇や口腔内に現れることもあります。しこりが徐々に崩れてただれた状態(潰瘍)になると、梅毒トレポネーマが粘膜表面にたくさん存在するようになり、さらなる感染を起こしやすくなります。

 また、梅毒トレポネーマは陰部から入ることが多いため、陰部に近い太ももの付け根のリンパ節(鼠径リンパ節)が腫れるのも第I期の特徴です。

 第II期に入ると、皮膚の発疹やリンパ節の腫れなどの症状が全身に広がります。リンパや血液の流れに乗って、菌が全身に運ばれるからです。手のひらなどに現れる梅毒性乾癬(写真)や、陰部周辺の平べったいイボ(扁平コンジローマ)、ピンク色の発疹(バラ疹)のほか、微熱や倦怠感が出ることもあります。

写真 梅毒の症状例(第II期)
手のひらや足の裏に暗赤色の発疹が出る(梅毒性乾癬)(C)CDC / Robert Sumpter
[画像のクリックで拡大表示]

 第I期・第II期ともに、症状があっても痛くもかゆくもないため、まさか梅毒とは思わず放置することもあります。しかも、症状が出たり消えたり…という特徴ゆえ、「病院に行かずに治った」と楽観視する人もいるでしょう。そうやって病院に行くチャンスを逃し、気づかないうちに感染が拡大するのが梅毒の怖いところです。でも、症状が再び現れるとさすがに受診する人が多く、今は第III期以降に至る人はまれです。

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