COPD という病気はほかの生活習慣病に比べると認知度が今一つのように思うのですが、認知度はどのくらい高まっているのでしょうか。
長瀬 日本には530万人ものCOPD患者がいると推計されます(*4)。しかし、実際に治療を受けている人は26万人程度で、このギャップは大きなものです(*5)。スパイロメトリー検査も、本来はすべての喫煙者に受けてほしいのですが、健康診断でもスパイロメトリー検査を行う施設は多くありません。潜在的なCOPD患者を見つける機会が十分に提供されていないのが実情です。
厚生労働省の「健康日本21(第2次)」では、平成34年度までにCOPDの認知度80%を目指し、国を挙げて取り組む方針を示しています。しかし、COPDの正しい知識の普及活動を行うGOLD日本委員会によると、まだ一般の認知度は30%にも届きません。COPDは予防が可能な疾患です。広く知っていただき、普及につなげたいと思います。
今現在タバコを吸っている人はもちろん、今は禁煙している人であっても、咳や痰、息切れが出ていないかどうかに注意を向けて、COPDの早期発見のため、呼吸器を専門とするクリニックや病院を定期的に受診してほしいと思います。
*5 厚生労働省「平成26年患者調査」
東京大学医学部附属病院呼吸器内科科長

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