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名医が解説! 最新治療トレンド

破裂すればくも膜下出血! 脳動脈瘤はどう治療する?

開頭しないカテーテルによる治療も大きく進化

 田中美香=医療ジャーナリスト

脳ドック受診者の25人に1人の確率で未破裂の脳動脈瘤

脳ドックなどで発見される確率はどのくらいですか。

脳動脈瘤は、ひとたび破裂すれば3割以上の人が命を落とす。(c)spotmatikphoto-123RF

水谷 日本の大規模な脳ドックにおける1年間の受診者4070人を対象とした最新の調査では、成人の4.3%に未破裂脳動脈瘤が発見されました(*1)。およそ25人に1人ですから、決して少ない数字ではありません。

 脳ドックで未破裂脳動脈瘤を見つけるには、MRIとMRAが有効です(*2)。脳ドックで診断できるのは2mm以上の脳動脈瘤で、もっと小さければ診断できないこともあります。それでも、症状がない脳動脈瘤が見つかるかどうかは、脳ドックを受けるかどうかにかかっています。血縁者にくも膜下出血を起こした人や脳動脈瘤が見つかった人がいる方は特に、40~50歳になったら一度は脳ドックを受けることをお勧めします。

治療は開頭手術とカテーテルによる血管内治療の二択

未破裂脳動脈瘤が見つかったら、必ず治療するのでしょうか。

水谷 脳動脈瘤のすべてが治療の対象になるわけではありません。脳動脈瘤があっても破裂しないまま終わる人も多く、年間破裂率の全体平均は0.95%とされます(*3)。したがって、脳動脈瘤を治療するかどうかを決める際は、破裂する確率と、治療の安全性の両面から慎重に検討します。

 脳動脈瘤は大きいほど破裂しやすいため、2mm程度の小さいものであれば、多くの場合は経過観察となります。しかし3mmを超えると要注意です。3~4mmなら年間破裂率は0.4%ですが、5~6mmで0.5%、7~9mmで1.7%、10~24mmで4.4 %、25mm 以上なら33.4%に跳ね上がります。 必ず破裂するとは限らない、治療にはリスクも伴う、こうしたことを合わせて考えると、患者さんの意向によっては、4~5mmでも治療せず様子を見ることもあります。

 とはいえ、今は2mmでも大きくなる可能性があるので、見つかれば一生フォローしなければなりません。経過観察を選べば脳動脈瘤を持ち続けるという不安が、治療するなら安全性への不安が出てくるので、治療するかどうかは患者さんとよく話し合って決める必要があります。

いざ脳動脈瘤を治療するとなったら、開頭して手術するのでしょうか。

水谷 脳動脈瘤の治療方法は大きく2つ、頭蓋骨を開けて行う「開頭手術(クリッピング術)」と、開頭しないでカテーテルによって治療する「血管内治療」があります。開頭手術は年々減少傾向で、血管内治療が増えつつあります。今年(2019年)あたりに半々の割合になるのではないでしょうか。

*1 Imaizumi Y, et al. J Neurosurg. 2018:Apr 6;1-6.
*2 MRAとMRIはいずれも強い磁石と電磁波を使って断層撮影を行う検査。MRIはあらゆる組織を描写するが、MRAは血管だけを映し出す。
*3 7000人規模で実施した日本人の調査(UCAS Japan 2012年)による。
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