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季節の病気を上手に防ぐ

たかが咳、されど咳 ~秋口の長引く症状にどう対処?~

 田中美香=医療ライター・ジャーナリスト

痰が出る場合は鼻汁が関係した咳を疑う

 痰の有無も、咳の原因を探る上で重要なポイントだ。ここまでで取り上げた咳喘息、アトピー咳、感染後咳は、痰の少ないコンコンとした「乾いた咳」が出る。一方、痰のあるゴホゴホとした「湿った咳」の場合は、気管支炎や副鼻腔気管支症候群(気管支に慢性の炎症が続く病気と、慢性副鼻腔炎を合併したもの)の可能性が高い。

 蝶名林氏によれば、副鼻腔気管支症候群では、ドロっとした鼻汁が鼻の奥から喉の奥に垂れることで咳が起こる。「これらの呼吸器系の病気が隠れていると、普段の生活には支障がなくても、風邪をひくと副鼻腔炎が悪化して痰が増え、咳が長引いたりします」(蝶名林氏)。

胃酸の逆流で起こる咳もある

 咳の原因は、まだまだある。消化器系が関係するものとして、代表的なのは胃食道逆流症だ。胃食道逆流症は、逆流性食道炎とも呼ばれ、胃や食道の内容物が逆流することで、胸やけを生じる。就寝中にこれが起こって胃酸が食道に逆流すると、本人も気づかないうちに気管支に入ってしまい、咳の原因となるのだ。「咳の患者さんの問診では、胃食道逆流症の可能性も念頭に置いて、胸やけの有無も尋ねます。咳の診断においては問診(表1)が一番大切ですね」(蝶名林氏)。副鼻腔気管支症候群も胃食道逆流症も、それぞれの疾患の治療を行うことで、咳も軽減する。

表1◎ 長引く咳がある時、医師が問診する内容とは?
問診内容ポイント
咳がどのくらい続いているか早く収まる咳は「急性咳嗽」、3週間以上続くと「遷延性咳嗽」、8週間以上続くと「慢性咳嗽」という。3週間以上続けばただの風邪ではないとして受診したい。
痰があるか痰の有無も咳を診断するファクターの一つ。痰があれば慢性気管支炎、慢性副鼻腔症候群などを疑う。
アレルギーの症状があるかじんましん、皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症などのアレルギー症状がある場合は、喘息やアトピー咳の可能性がある。
高血圧で薬を飲んでいるか高血圧の治療としてACE阻害薬を服用していると、気管支の過敏性が増すため咳が出ることがある。
胸やけがあるか胃や食道から胃酸が逆流すると、気管支に入って咳が起こる。
喫煙歴があるかタバコは気道を刺激して咳も痰も増やす。タバコをやめれば咳は減るため、ぜひ禁煙したい。

秋の花粉症で咳を伴うことも

 最後に、意外な咳の原因もご紹介しよう。それは、花粉症だ。「あまり知られていませんが、秋にはブタクサやヨモギなど、秋特有の樹木による花粉症があります。花粉症は鼻に起これば、よくある鼻アレルギーですが、気管支に起これば喘息、つまり花粉をアレルゲンとする喘息になり、咳を伴います」。花粉症に対しては、通常は血液検査でアレルゲンを調べて治療を行う。咳喘息と同じく吸入ステロイドや気管支拡張薬で治療するのが主流だという。

 主な咳の原因と特徴を、図1にまとめた。

図1◎ 長引く咳を引き起こす代表的な病気
本図は長引く咳の特徴と代表的な病気をまとめたものです。上記以外にも咳からくる病気があるためご注意ください。
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