ひどい日焼けにはロキソニンやバファリンもお薦め
一般的に日本人がサンバーンを起こすのは、晴れた夏の昼間に、20分、日光に当たった時。この時の紫外線量を、最少紅斑量という。最少紅斑量の日光に当たると、およそ4時間後に肌がヒリヒリし始め、24時間でピークに達する。
日焼けは一種のやけどだ。紫外線のうち、特にUVBに大量に当たるとDNAがUVBを吸収して傷ついてしまう。その結果皮膚の細胞がダメージを受ける(表1)。真っ赤になる、腫れる、水ぶくれができるなどの炎症は、体が一生懸命回復しようとするために起こる反応だ。
UVA (紫外線A波) |
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UVB (紫外線B波) |
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その他 |
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日焼け後のケアは、やけどと同じと考えるとよい。屋外にいるうちからヒリヒリし始めたら、「マズいことになる」というサイン。氷がなければ、ぬれタオルを当てて扇風機に当たるだけでもいいので、まずは冷やすことが第一だ。少し冷やして落ち着けば病院まで行く必要はないが、水ぶくれができたら受診をお勧めしたい。「水ぶくれに対しては、皮膚に穴をあけて水を出す処置を行います。ただ、それは皮膚科で行うものなので、安易に自己流で済ませないように」(上出氏)。
ひどい日焼け(サンバーン)で皮膚科を受診すると、抗炎症薬であるステロイドの塗り薬・飲み薬を処方されることが多い。だが、日焼けをどう治療するのが最適か、という点について確固たる論文は少なく、日焼けしてからステロイドを使っても効果がないとする説もある。ひどい日焼けの応急処置として、上出氏が薦めるのは「非ステロイド系の痛み止めを飲むこと」だ。
「ステロイドを使えば多少は腫れがひきます。でも、それよりも意外と効くのが非ステロイド系の消炎鎮痛薬です。夕方からヒリヒリし始めたら、市販薬のロキソニンやバファリンを飲むといいでしょう。痛みも炎症も、少しは治まります。完全ではありませんが、何もしないよりは効果があります」(上出氏)