炎天下の水分補給は、ぬるいペットボトルより冷たい水筒

暑い日は、市販の経口補水液やスポーツドリンクで水分補給に努めたい。炎天下に外出する時は、すぐにぬるくなってしまうペットボトルより、保冷効果のある水筒で常に冷えたものを持ち歩く。「冷たい飲み物を持ち歩くことのメリットは、体の中から直接、そして継続的に体を冷やすことにあります。飲んだものは約30分かけて体に吸収されるため、十分に水分補給をしてから外出し、水分が不足してくる30分後くらいからこまめに飲みましょう」(三宅氏)。
水分とあわせて摂取すべきは塩分だ。通常は3食きちんと食べていればおおむね問題ない。だが、水だけを多量に飲んでいると、体内の塩分濃度が下がり、だるい・吐き気がするなどの症状が出る"低ナトリウム血症"に陥る可能性もある。水と一緒に塩飴なども携帯するとよいだろう。
ただし、持病がある人は塩分・水分の摂り方に注意が必要だ。経口補水液もスポーツドリンクもブドウ糖を含むため、糖尿病の人が飲み過ぎると高血糖になり、浸透圧利尿(*1)を起こしてしまう。購入時はカロリーゼロのタイプを選ぼう。
真夏にゴクゴク飲み干したい! うまいビールの落とし穴
真夏の仕事帰りの楽しみといえば、キンキンに冷えたビール。ところが、「ビールに限らず、アルコールは体を冷やすどころか、体内で熱に変わって体を温めてしまうため、熱中症の可能性があるときは注意が必要です」と三宅氏は注意を促す。しかも、アルコールは他の飲み物より桁違いに利尿作用が強く、脱水状態を招きやすい。お酒を飲んだ翌朝、のどがカラカラに渇く状態がまさに脱水の徴候だ。
「体を冷やすように見えるビールでも、無自覚のまま皮膚や気道から水分が奪われる"不感蒸泄"によって、脱水になるから注意が必要です。お酒を飲んだ後や起床後には十分に水分をとって、大事に至らないようにしましょう」(三宅氏)。
「エアコンは体に悪い」と思わず、快眠を手に入れよう
いかに暑くても、外回りの仕事をしている人は真っ昼間に外出せざるをえない。特に、営業職の男性は背広にネクタイの暑苦しいスタイル、さらに昨今はオフィスも交通機関も節電対策で、汗がおさまる暇もない。服装は涼しい素材を選ぶ、なるべく日陰を選んで歩き、適宜休む、常に水分を補給するなど、自分でできる暑さ対策から始めよう。
また、疲れをため込まないためには「夜をどううまく過ごすか」も大切だ。就寝時、気温が高い時はエアコンの力を借りること。就寝中の熱中症を防ぐためにも、日中の暑さで奪われた体力を回復させるためにも、涼しい環境でぐっすり眠ることが大切だ。その際は、体感温度で何となく判断するのではなく、目につく場所に温度計を置いて、28℃を越えたらスイッチを入れるなど、ルール化するといいだろう。
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