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季節の病気を上手に防ぐ

大人が重症化する「春の感染症」

風疹・はしか・おたふく風邪をあなどらないで

 田中美香=医療ジャーナリスト

20~40歳代の男性は風疹に注意

 働き盛りの世代の男性が注意すべきは風疹だ。風疹は、発熱、発疹、リンパ節の腫れを特徴とする急性ウイルス性疾患。昔は子どもがかかる病気とされていたが、ワクチンの普及により子どもでの流行は減っている。反対に、2013年には成人男性を中心に、国内の感染者が1万人を超える大流行となったことは記憶に新しい。2015年に入ってからも愛知県や静岡県西部で10人以上の風疹患者が立て続けに報告された。感染したのは、いずれもワクチンを接種していない、20~40歳代の男性だ。

 しかも、これは男性だけの問題ではない。働き盛りの男性こそ、妊娠中の女性が身近にいることが多いからだ。妊娠初期の女性が風疹に感染すると、生まれた赤ちゃんに心臓の障害や聴力障害、白内障などを伴う先天性風疹症候群を起こすことがある。これは何としても避けるべき事態だ。

 ちなみに、ワクチン接種率が低いはずの50歳以上の男性は、風疹に感染する人が少ない。これについて國松氏は、「その世代は、幼少期にワクチンが十分に普及しておらず、生活環境で自然にウイルスにさらされる機会が多かったからではないか」と述べる。感染症の流行が頻繁に起こり、自然にウイルスに触れざるをえない時代に生きていたから、すでに免疫がついているのだという。

子どもの風疹は「3日はしか」なのに、大人はなぜ重症になる?

 風疹は、熱や発疹が出る点は“はしか”に似ているが、はしかより少し軽症であるため「3日はしか」の異名を持つ。子どもならたいていの場合は3日ほどで治る病気だ。

 しかし、大人がかかると高熱を伴い、重症になってしまうことが多い。その理由について、國松氏は、ウイルスに対する免疫反応の強さが関係するのではないか、と話す。「ウイルスという異物が体内に入ると身体の免疫機能が働き、異物をやっつけようと反応することで症状が出ます。大人に比べると、子どもは免疫機能が確立していないため、ウイルスへの反応が鈍い状態です。それに対して、大人は強く防御反応を起こすから症状が重くなるという説があります」。大人が風疹にかかると髄膜炎のような合併症を生じることもあり、“風疹なんて子どもの感染症でしょ”と軽視できないのである。

はしかは、感染力も重症度も風疹以上

非常に感染力の強い、はしか(麻疹)ウイルス。(©decade3d -123rf)

 はしか(正式には麻疹と呼ばれる)は、咳、高熱、発疹を特徴とする急性ウイルス性疾患。空気感染で広がるため、飛沫感染の風疹よりも感染力が強い。ウイルスを持つ人とエレベーターに同乗しただけで、抗体をもたない人は感染してしまうくらいだ。症状も風疹よりも重く、高熱や咳のほか、頭痛、動けないほどの倦怠感を伴ったりする。リンパ球の数値が下がり抵抗力が落ちて、肺炎などを合併することも珍しくない。

 はしかも従来は小児期の感染症とされていたが、近年、免疫を持たない成人での発症が問題化している。ここ数年は、国内での麻疹流行は、ワクチンが十分に普及していない外国から持ち込まれるケースのみになっており、2014年にも、海外で感染した患者から広がったとみられる麻疹の流行が起きた。ワクチン大国と呼ばれるアメリカでも、2014年12月から麻疹が大流行し、2015年3月現在、まだ終息していない。感染拡大のきっかけとなったのは、カルフォルニアのテーマパークだとみられている。はしかは感染力が強いだけに、今後も海外の流行地域からウイルスが日本に持ち込まれ、流行を引き起こす可能性がある。

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