日経グッデイ

女性のための「医療・健康」の話

しつこい肩こり、原因はミルフィーユこり!

慢性的なこりには、筋膜のよじれが集まった“ながしポイント”のケアを

肩こりに悩む女性の大半が慢性的なこりに悩んでいる!

 ピップ(株)が、20代から70代までの女性425人を対象に、肩こりをはじめとするこりの実態調査を実施したところ、肩こりを感じている女性は340人だった。

 肩こりを感じている340人のうち、255人の女性が、慢性的な肩こりを自覚していた。慢性的な肩こりとは、週に1回以上のこりを感じる人を指す。

 また、慢性的なこりのある人は慢性的なこりのない人に比べて、こりが深い部分にある気がすると感じている人が、4倍も多いことが分かった。しかも、こりが深い深部にあると感じている人の31.4%が、10年以上も肩こりに悩んでいると答えた。

 「こりが深い部分にある慢性的な肩こりは、何層にも重なり合った筋肉と筋肉の間にある筋膜のよじれが、引き起こしています」と話すのは、首都大学東京健康福祉学部教授の竹井仁先生。

 肩こりは、筋肉がこりかたまって起こる。肩の筋肉は、表層の筋肉(表層筋)と、深層の筋肉(深層筋)が幾重にも重なった構造になっている。そして筋肉と筋肉の間には筋膜があり、それぞれの筋肉を覆っている。この筋膜はコラーゲンやエラスチンからできていて、弾力性が高いのだが、これが、何らかの理由でねじれると、本来の弾力性が失われ、筋肉の動きまで、悪くなってしまうのだ。深層筋のこりがほぐれにくいのは、この筋膜のねじれが、こりの原因となっているからなのである。

 「調査の対象者が自覚しているように、深い部分のこりはほぐれにくい性質があり、こりが他の部位にも連鎖して広がってしまうため、治りにくいのです」と竹井先生は話す。

 幾重にも重なる筋肉と、その間にある筋膜の関係は、まるでケーキのミルフィーユのように見えるので、筋膜のねじれが連鎖して起こる慢性的なこりを、通称「ミルフィーユこり」と竹井先生は呼んでいる。ミルフィーユこりはそのまま放っておくと、他の筋膜のねじれを誘発し、こりを広げてしまう。あなたは大丈夫?

チェックしてみよう
ひとつでも当てはまればミルフィーユこりの可能性あり!

  • □ いつも同じところにこりを感じる
  • □ こりやすい体質だとあきらめている
  • □ こった部分を押すと痛みが他の箇所にも響くような気がする
  • □ 無意識に首や肩に手をあてて、揉むようなしぐさをする

ながしポイントをケアして、ミルフィーユこりを解消!

 治りにくいミルフィーユこりは、ただ温めたり、やみくもに指圧するだけでは、解消されない。「ミルフィーユこりを解消するためには、その原因となっている筋膜のよじれが集まった“ながしポイント”をほぐすことが大事です」と竹井先生。

 ながしポイントとは、筋肉と筋肉が重なり合った部位で、よじれが集まりやすいところで、血液、リンパ、ゲル状の液体の3つが滞っている。ここをケアすれば、ミルフィーユこりは解消できるというわけだ。

図1◎ ココが肩のながしポイント
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 肩と背中のながしポイントを図で紹介したので、そこを集中的にケアしてほしい。ながしポイントの探し方は、例えば「僧帽筋上部繊維と棘上筋」の場合、首の付け根と肩の端の中間を上から押すと、ちょっと窪んだ部分があるので、そこから首へ向けて盛り上がりかけたところがポイントとなる。だいたいの部位でも効果はあるそうなので、効くところをこまめに探してみよう。

 セルフケアの方法は、マッサージ、磁器治療器の活用などが効果的。ながしポイントを温めてからマッサージするとさらに効果が期待できる。また、普段から、ストレッチなどで体を動かしたり、正しい姿勢を心がけるようにすることも大事。肩こり解消だけでなく、見た目にも美しくなる。外出の際は、ぜひ、ガラスに映る自分の姿勢をチェックしよう。

(文:伊藤左知子)

竹井 仁さん
首都大学東京健康福祉学部教授
理学療法士、医学博士(解剖学)。筋膜研究の第一人者。著書に、『たるみリセット』(ヴィレッジブックス)、『肩こりにさよなら!』(自由国民社)などがある。テレビ出演も多数。
日経ウーマンオンライン2013年9月10日付け記事からの転載です。