心身に多様な不調があり、医者通いをしてもなかなかよくならない…。そんな“不定愁訴”は女性ホルモンの仕業と結び付けがちだが、実は甲状腺に原因がある場合も。症状から自己判断するのは難しいので、まずはかかりつけ医で血液検査を受けてみて。
年だから、更年期だから、私はこういう体質だから…とやり過ごしていると、思わぬ病気の発見が遅れることも。その代表格が「甲状腺の病気」だ。特に間違われやすいのが、女性ホルモンの減少で起こる更年期の不調。似た症状が多いため、一定期間を過ぎたら治まるだろう、と放置する人も少なくないので要注意だ。
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは、「元気の素」とも呼ばれ、全身の代謝に関わり、骨や筋肉、神経に至るまですべての臓器が影響を受ける。だからこのホルモンの分泌異常が起こると、多様な不調が全身に表れる。「動悸があれば心臓の病気、むくみがあれば腎臓の病気、という具合に、ほかの病気を疑って循環器科や婦人科へ行っても原因が分からず、長い間不調に苦しむ人が多い」と、金地病院の山田惠美子院長。受診先の医師も“甲状腺に原因があるかも”となかなか気づいてくれない点も問題だ。