咳は、カゼやインフルエンザにかかったときにも起こり、それ自体はよくある症状だ。しかし3週間以上長引く咳には、注意が必要。深刻な感染症や病気のサインかもしれない。まずは咳のタイプから、どんな病気が隠れている可能性があるのかチェックしてみよう。ケア法も覚えよう。
咳が出るのは体の防御反応
咳はどうして出るのだろう。「咳は、体の防御反応」というのは東京医科大学の加藤治文名誉教授。「ウイルスや細菌などの病原体、花粉やほこりといった異物が鼻・口から気道に侵入すると、粘膜表面が感知して脳の咳中枢を刺激する。そして体外に排出しようとして咳が出る。また、病原体や異物は、粘膜からの分泌液にからめとられて痰になるが、咳には痰を外に排出する役目もある」(加藤名誉教授)。
病原体や異物が気管支や肺まで達すると、今度は気管支炎、肺炎、ぜん息などが引き起こされる。「炎症が起きた粘膜は、刺激に敏感になるため、その炎症反応として出る咳もある」(加藤名誉教授)という。
長引く咳は気管支や肺に主な原因がある
3週間未満で治まるような咳は、さほど心配はいらない。咳とともに黄色の痰が出て、発熱、鼻水、のどの痛みなどがあれば、まずカゼだと思って間違いない。「注意が必要なのは、3週間以上も長引く咳。肺結核や肺がんなど、深刻な病気が隠れている可能性も」(加藤名誉教授)。次ページから代表的な感染症や疾患を紹介していくので、気になる咳は病院で検査を(セルフケアは最終ページで紹介)。
- 次ページ
- アレルギーが原因の長引く咳