「要精検」を放っておかないで! 二次検診は「がん」かどうかを調べる検査
乳がん検診(一次検診)は、あくまでがんの疑いの有無を振り分けるためのスクリーニング。「検診結果で『要精検』となっても、必ずがんというわけではない。心配しすぎず、速やかに精密検査(二次検診)を受けて」と濱岡院長。
一次検診を1000人が受けたとすると、約50~100人が要精検に。そのうち本当にがんなのは約2~3人とほんのわずか。だからといって、「どうせ大丈夫」と放っておかないで! 精密検査は、乳腺科(乳腺外科)や乳腺専門医のいる施設で受けられる。
自費検診の場合は、一次検診を受けた医療機関でそのまま受けられることが多いが、自治体検診の場合、精密検査を受けられる施設を探す必要が。施設リストを案内している自治体も少なくないので、問い合わせを。
組織診の結果で がんかどうかが確定する
精密検査には、「細胞診」と「組織診」がある(図5)。細胞診は細い針で行うので痛みも少ないが、取れる細胞がわずかなため、良悪の判別がつかない場合も 少なくない。また、「細胞診の結果だけで、 がんと診断されることはない。細胞診で悪性と出た場合でも組織診に進み、その結果をもって初めて、がんかどうかの確定診断ができる」と濱岡院長。乳がんが強く疑われるしこりで、病変範囲が不明 瞭な場合や超音波で病変が見えない石灰化の確定診断には、組織診の中でも、より多くの組織が採取できる吸引式針生検が行われる。
セルフチェックも忘れずに

(取材・文:増田美加/イラスト:いいあい)
(出典:日経ヘルス2013年2月号/記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)