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働くオンナの保健室

ストレッチと抗炎症薬で直す 四十肩・五十肩

イライラ、うつうつや更年期不調が背景にある人も

【炎症期の治療】
痛みが強い「炎症期」は抗炎症薬の服用か注射を。漢方薬もよく効く

 治療は「炎症期」と「拘縮期」で異なる。「痛みの強い炎症期は、薬で痛みを緩和することが重要。そうすれば肩を動かしやすくなる」と橋口部長。

 痛みを鎮める薬はたくさんある。一般にまず用いられるのは、非ステロイド性消炎鎮痛薬と筋弛緩薬の飲み薬を併用する方法だ。さらに消炎鎮痛効果のある外用薬が加わることも。

抗炎症薬(ステロイド)は痛みによる機能低下に、運動は可動域の改善に効く
肩の痛みが4週間から6カ月続く78人を、「ステロイド薬注射+運動療法を行う群」「ステロイド薬注射のみ群」「運動のみ群」「偽薬を注射する群(何もしない群)」の4つに分けた。6週間後、肩の痛みによる障害度の低下にはステロイド薬、肩関節の可動域改善には運動が効くことが分かった。(データ:Rheumatology;44,529-535,2005)
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 「痛みが強い人には、最初から患部にステロイド薬を注射することもある」と橋口部長。

 夜間痛で眠れない人には催眠鎮静薬筋緊張や不安が強い人には筋弛緩作用を持つ抗不安薬なども用いられる。これらの薬で効果が得られない場合は、脳に作用して痛みを緩和するアセトアミノフェンと麻薬成分のトラマドールを配合した疼痛治療薬も選択肢になるという。

 女性の場合、漢方薬も選択肢の1つだ。「いくつもの生薬からできているので、1つの薬で色々な症状に対応できる。鎮痛薬を飲むと胃腸障害が出る人や、冷え、むくみ、肩こりなどの不定愁訴を同時に持っている人には特にお薦め」と橋口部長。体の状態に合った薬を選ぶと、切れ味よく効くという。

 代表的な薬は二朮湯(にじゅつとう)だ。6カ月以上痛みが続いた患者13人に二朮湯を飲んでもらった研究では、全員の痛みが改善した。研究を行った愛知医科大学医学部学際的痛みセンターの新井健一准教授は「保険適用で処方できるので、担当医に処方をリクエストしてみて」と薦める。

四十肩・五十肩に効く主な漢方薬

 代表的な漢方薬は4つ。症状と体質に合わせて処方される。いずれも健康保険が適用される。

  • 麻杏よく甘湯(まきょうよくかんとう)

     余分な水分を取り除くヨクイニン、発汗作用をもつマオウなどからなる薬。比較的体力のある人の炎症期から拘縮期に用いられる。

  • 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

     こむらがえりの特効薬として知られる。四十肩・五十肩では特に夜間痛の緩和を目的に、就寝前だけ飲むよう指示されることが多い。

  • 二朮湯(にじゅつとう)

     効能はずばり「五十肩」。体を温め水分代謝を向上させて痛みを改善する。寒冷刺激で痛みがひどくなる、ぽっちゃりタイプに合う。

  • 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)

     鎮痛作用と体を温める作用が高い薬。比較的体力のない冷え性の人に処方されることが多い。胃腸虚弱で鎮痛薬が飲めない人にも。

 一方、運動療法はこの時期、まだ早い。「強めのストレッチを行うと、逆に痛みが強くなる」(村木さん)からだ。むしろ痛みが出ない範囲で、筋肉をしっかり動かしながら日常生活の動きを行うことが重要という。

 肩まわりをゆるめるマッサージも行おう。「炎症期は痛みに対する無意識の防御反応として、肩や背中の筋肉が緊張する。そのせいで肩全体がカチカチに凝って痛んでくるが、それを緩和できる」と村木さん。

 肩の付け根から胸に広がる大胸筋肩甲骨を動かす背中の筋肉肩から上腕に伸びる筋肉がそのターゲット。背中はボールのついた肩たたきなどでもんでもいいが、それ以外はその部位の力が抜けるように優しくさするか、軽く圧そう。

肩まわりの筋緊張をほぐすセルフマッサージ

 温まると筋緊張がゆるんで楽になるので、マッサージはできるだけお風呂で行おう。力を入れてもむと逆に筋緊張が高まるので、力が抜けるように優しく行うのがポイントだ。

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