日経グッデイ

働くオンナの保健室

つらい疲れ目に隠れる老眼、ドライアイ

目がかすむ、近くがよく見えない、まばたきが増えた…は疲れ目のサイン

パソコンやスマホの画面を見続けていると、目が疲れて…。そんな疲れ目の背後には、老眼やドライアイが隠れているかも。原因別の対策で、つらい疲れ目を解消しよう!

つらい疲れ目

 最近、目が疲れる。クリアに見えない。もしや老眼か目の病気? そんな不安を抱えている人も多いのでは。「疲れ目の原因はいろいろあるが、30~40代で多いのはドライアイと老眼」と中目黒眼科の杉本由佳院長。

 ドライアイは涙の量が減ったり、質が変化したりして、目の表面が乾燥する病気。長時間のパソコン作業などで目を酷使する人やコンタクトレンズ使用者がなりやすい。また加齢も一因に。「女性ホルモンや男性ホルモンが減少する更年期以降は、涙の分泌量が減り、ドライアイになりやすくなる。目は体の中でも老化が進みやすい場所の一つ」と南青山アイクリニックの戸田郁子院長。

ドライアイで見えにくくなる理由

乾いて表面が凸凹しゴロゴロ、見えにくくなる

ドライアイ
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 正常な目は涙で覆われ、角膜表面も滑らか。ところが、ドライアイになると3層からなる涙の膜が不均一になり、角膜表面が凸凹に。このため光の屈折が変化して見えにくい、ゴロゴロするなどの症状が。

 老眼も起こりやすくなる。見たいものにピントを合わせる調節力が低下して、手元のものが見づらくなる状態だ。無理してピントを合わせようとすると、目の疲れがひどくなる。「目にはカメラのレンズに相当する水晶体があり、近くを見るときは毛様体筋という筋肉がぐっと緊張して水晶体を膨らませる。しかし、30代くらいから水晶体は柔軟性を失い始める。程度の差はあれ、35歳を過ぎたら老眼対策が必要」と梶田眼科の梶田雅義院長。

老眼で見えにくくなる理由

水晶体が硬くなりピントが調整できなくなる

老眼
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 近くを見るときは毛様体筋が緊張して水晶体が厚くなり、遠くを見るときは緩んで薄くなるが、30代後半くらいからこの調節力が低下し始める。老眼の目(右図)は水晶体が薄いままで、近くにピントが合わない。

 このほか、「外斜位(がいしゃい)」や「眼瞼下垂(がんけんかすい)」が原因で目が疲れることも。普段は両目がまっすぐ前を向いているが、片方の目を閉じたり隠したりすると、眼球が自然に外側にずれてしまうのが、外斜位。「見るときは目をぐっと内側に寄せているので、眼精疲労を招きやすい。3Dや立体視ができない人は外斜位の可能性が大」と杉本院長。

 一方、瞼(まぶた)が上がりにくくなる眼瞼下垂は、「ハードコンタクト歴20年以上の人に多い」(杉本院長)。あなたの疲れ目の原因は? 次のチェックリストで確認してみよう。

図1◎ あなたの疲れ目の原因は?
あなたの疲れ目の原因は? チェックリスト
2大原因はドライアイと老眼。ほかに 外斜位や眼瞼下垂、睡眠薬や抗うつ薬 などの副作用が原因のことも。これら が重複する場合もある。
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緑内障などの病気があることも

 視野が欠け、治療が遅れると失明することもある緑内障。「40代以降の女性に多く、初期症状はなんとなく目が疲れるという程度。早期発見のためにも、この段階でぜひ一度検査を」と杉本院長。また、「睡眠薬や抗うつ薬、安定剤などの副作用で疲れ目やかすみ目が出る人も。こんな人が最近、増えています」(杉本院長)。

年齢とともに目も老化して、見えにくくなる
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積極的に目を休める 遠くを見る 視力の過矯正にも注意

 目の酷使と加齢による目の衰え―。疲れ目の多くはこれらが重なって起こるが、もちろん打つ手はある。「パソコンやスマホなどの画面を長時間見続けない、メガネなどでブルーライトをカットする、遠くを見る機会を増やすなど、目をいたわる生活を心がけて」と杉本院長。また、「遠くが見えすぎる過矯正のメガネやコンタクトを見直すことも重要」と梶田院長。次の疲れ目を防ぐ5カ条を実践しよう。

疲れ目を防ぐ5カ条
  • 1.パソコンやスマホを長時間見続けない
  • 2.ブルーライトや画面の反射対策をする
  • 3.遠くを見る時間を増やす
  • 4.メガネ、コンタクトの度数を強くしすぎない
  • 5.十分な睡眠、リラックス時間を持つ

【ドライアイ】水分と油分を補給、アイメイクはきれいに落とす

図2◎ 涙は3層構造
涙の構造
涙は、外側を覆う「油層」、真ん中 に水分の「水層」、内側に粘液の「ム チン層」の3層構造。これらのどれ かが不足してもドライアイになる。
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 ドライアイの原因になるのが、涙の異常。単に量が減るだけでなく、質に問題があることも多い。「涙は水と油、ムチンというたんぱく質の3層構造でできている。水分は十分あっても、油やムチンが不足してドライアイになっている人も多い。最近、目立つのはアイメイクが原因で『マイボーム腺』が詰まっているケース」と戸田院長。

 マイボーム腺はまつ毛の生え際にあって、油を分泌している。涙の表面を油で覆うことで、蒸発を防いでいるのだ。ところが、目の際までアイメイクをしたり、まつ毛のエクステンションをつけていたりすると、マイボーム腺にメイクが詰まり、洗浄も不十分に。「不潔になって、まつ毛の毛根にダニの一種が寄生することもある」(戸田院長)。

 「マイボーム腺の詰まりや汚れを取るのには、洗浄と温めが効果的。歯磨きのように毎日続けて」と戸田院長。目元専用のシャンプーや温めグッズを利用するのもいい。また、加湿器を使う、空調の風に当たらない、パソコン作業時にメガネを使うなども、ドライアイの改善&予防に役立つ。

セルフケア:「洗う」「温める」でマイボーム腺の詰まりを取る

 マイボーム腺は、上下の瞼の縁に20~30個あり、油を分泌している。油が詰まったり、炎症を起こしたりすることも。


治療法:ムチンを増やす点眼薬も涙点プラグで涙をキープ

涙点プラグ
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 保湿効果のある人工涙液やヒアルロン酸の点眼薬に加え、昨年にはムチンの産生を促す新しい点眼薬も2種類登場。また、涙の排出口を小さなプラグでふさぎ、涙を目の表面にとどめる「涙点プラグ」(写真内矢印)も効果的。いずれも保険が利く。


【老眼】夕方のかすみ目は初期症状。早めに眼科医に相談を

 夕方になると目がかすむ、近くにピントが合いにくい…。30 代後半から老眼の兆候は表れるが、この段階はまだ入り口。「水晶体はそれほど硬くなっていないので、遠くをぼーっと見る、アウトドアに出かけるなどして積極的に毛様体筋を緩めるようにすると、調節力も改善する」と杉本院長。

 それでも老眼が進んできたら、遠近両用メガネなどの活用を。目に異常がないかも含め、まずは眼科で受診、処方箋を書いてもらってから眼鏡店に行くといい。「老眼の程度が軽いうちに作ったほうが、メガネに慣れやすい。また遠くも近くもよく見たいと欲張らないのも慣れるコツ。外出用、パソコン作業用などとライフスタイルに応じて使い分けると、目が疲れない」と梶田院長。乱視がない人は遠近両用コンタクトも可能だ。

老眼鏡の選び方
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Topics:ピンホール効果で遠くも近くも見える方法も

アキュフォーカスリング
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 「メガネなしで近くも見たい人には手術という選択肢もある」と戸田院長。たとえば「アキュフォーカスリング」は、ドーナツ状の黒いシートを角膜に挿入する治療法。光が小さな穴を通ることで、遠くにも近くにもピントが合いやすくなる。見え方がなじまない場合は取りはずすこともできる。


老眼鏡との上手な付き合い方
  • 1.初回は眼科医に診てもらい、眼鏡の処方箋を書いてもらう
  • 2.「1本ですべてをくっきり」と欲張らず、生活スタイルに合わせて作業用、運転用などを使い分ける
  • 3.レンズの構造や目の使い方が違うので、今までのメガネと併用しない
  • 4.2週間連続使用しても慣れないなら再度相談を
  • 5.度が進んだら我慢せず作り変える

(取材・文:佐田節子/イラスト:いいあい、三弓素青)

(出典:日経ヘルス2013年11月号/記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)