更年期に見られる手指のこわばりや痛み。第1回では変形性関節症と関節リウマチと見分け方、第2回では変形性関節症の対策や治療について紹介した。最終回となる今回は、関節をボロボロにしかねない「関節リウマチ」の発症メカニズムと発症要因、治療法について紹介する。

「関節リウマチ」は免疫による自分への攻撃
女性は更年期を迎えるころになると手指の関節に痛みやしびれ、こわばりを感じることがある。その原因として最も多いのは第1回、第2回で紹介してきたように、軟骨のすり減りによって起こる変形性関節症だが、この時期に手の痛みや変形が起こる疾患には関節リウマチもある。
関節リウマチは、免疫が関節を攻撃して関節まわりに痛みや変形が起こる「自己免疫疾患」だ。体を構成するたんぱく質の一部が変化し、免疫がそれを異物とみなして攻撃するために炎症が起こると考えられていて、痛みや腫れが慢性化し、重篤化すると関節軟骨が破壊されて変形してしまう。変形性関節症との違いは、指の2番目、3番目の関節に多いこととされている。

自己免疫疾患は、何が攻撃対象になるかで病名が変わる
関節リウマチは、関節組織にあるII型コラーゲンがおもな攻撃対象の一つと考えられているが、自己免疫疾患にはほかにもターゲットによって異なるさまざまな病気がある。
ターゲットが
- 皮膚や筋肉の場合 → 皮膚筋炎
- 涙腺や唾液腺などの場合 → シェーグレン症候群
- 筋細胞の場合 → 多発性筋炎
- 関節の場合 → 関節リウマチ