血管が浮き出てカッコ悪い、脚がむくむ、だるい…。 患者の大半が女性という下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)。命にかかわる病気ではないけれど、 つらい症状があれば治療でラクになる。健康保険で血管内レーザー治療も受けられる。
立ち仕事の人に多い下肢静脈瘤

脚の血管がボコボコ浮き出ている、クモの巣のように透けて見える、夕方になるとふくらはぎが重だるい…。こんな症状があれば、「下肢静脈瘤」かも。「命にかかわる病気ではないが、悩んでいる人は多い。患者数は1000万人以上と推定され、その大半が女性。見た目を気にしてスカートがはけない、温泉に行きづらいという人も。50~60代以降に多いが、30~40代でも出産後や立ち仕事をしている人には珍しくない」と銀座七丁目クリニックの金岡祐司医師。
血管には心臓からの血液を全身に送り出す「動脈」と、使い終わった血液を心臓に戻す「静脈」がある。脚の静脈は重力に逆らって血液を心臓に送り返すため、血管内には逆流を防ぐ「ハ」の字形の弁がいくつも付いている。
ところが、長い間立ったままでいたり、運動不足で筋肉の収縮が不十分だったりすると、血液が静脈によどんで弁への圧力が増すことに。こんな状態が長期間続くと、やがて弁が壊れ、静脈に血液がたまって、その部分が瘤(こぶ)のように膨れてくる。これが下肢静脈瘤だ。
症状によって、「伏在(ふくざい)型」「側枝(そくし)型」「網目・クモの巣状」「陰部静脈瘤」の主に4タイプに分けられる。このうち症状が強く、治療すると劇的に良くなるのが「伏在型」と「陰部静脈瘤」だ。
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- 30〜40代に多い陰部静脈瘤
