市販薬の頼りすぎは症状を悪化させる原因に
月10回以上使う人は受診を
片頭痛の人の多くは市販の鎮痛薬で対処しており、受診者は3割程度との調査がある。「市販薬を月に1~数回使って治まるなら問題はない」と五十嵐医師。
「市販薬の効きが悪いのに我慢していたり、月10日以上市販薬をのんでいる人は頭痛専門医を受診すべき。脳が痛みに敏感になり、かえって頭痛の回数や痛みが増す恐れがある」(五十嵐医師)。市販薬を予防的にのむのはもってのほか。これらを「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」といい、通常の片頭痛よりも治療が難しく、回復に時間がかかる。
特に月経時に片頭痛を起こす人は要注意。「月経時の片頭痛は他の誘因で起こる片頭痛よりも痛みが強い傾向があることがいわれている」(牧田院長)。頭痛がなくても月経痛対策で服薬する人も多く、月内の服薬回数が増えがちだ。
「市販薬を使い過ぎかも」と思ったら、頭痛の記録をつけてみて。「日ごろから頭痛が起こった日、症状の内容や強さ、きっかけとして思い当たる出来事などを手帳にメモしておくと、服薬回数も把握でき、頭痛の誘因も見えてきて回避しやすくなる。記録すると服薬回数を減らせる効果も」(五十嵐医師)。月経痛のためにのんだ分も記録を。
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- 病院での治療に「トリプタン製剤」