いわゆる“頭痛もち”の人の頭痛は「緊張型頭痛」と「片頭痛」の大きく2タイプ。このうち、片頭痛は急に激しい痛みに襲われるため、生活に支障が出やすいという特徴がある。痛みを怖がり、鎮痛薬を頻繁に服用すると薬剤の使用過多(乱用)になりやすいのも問題だ。患者は女性が圧倒的に多く、男性の3倍以上。しかも、30、40代が発症のピーク。まずはチェックリストで、自分の頭痛タイプのチェックを。
女性ホルモンの乱高下、
ストレスなどが片頭痛の引き金に

片頭痛は多くの場合、ストレスや肩こり、寝不足といった、体調を崩すような誘因がきっかけで発症することが分かっている。月経もその一つで、女性の片頭痛患者の約半数が、月経を誘因の一つに挙げる。「月経時や排卵日は女性ホルモンのエストロゲンの血中濃度が急減する。この落差が片頭痛発症の引き金になると考えられている」と話すのは富士通クリニックの五十嵐久佳医師。
「月経前に、多くの人がむくみや妙に甘いものが食べたくなる、あくびが出るなどの症状を訴えるが、実は片頭痛の前ぶれ症状も同じ」(五十嵐医師)。これらの症状は、脳でホルモン分泌や自律神経をつかさどる視床下部が引き起こすと考えられている。「女性ホルモンの急低下以外に、何らかの原因で心身のバランスが崩れたりすることが片頭痛の引き金になりやすい」(五十嵐医師)。
人込みや換気の悪い場所、強い光、音、においなどが引き金になる人も多いが、人によって違う。また、母親が片頭痛の場合、子に体質が受け継がれやすい。だが、「親もそうだったし、体質だから仕方ないと我慢したり、自己流で対処してしまうのが問題。打つ手はある」と、五十嵐医師。
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- 片頭痛はエストロゲンとの関係が深い
