細菌性膀胱炎の典型的な症状は、トイレに行ってもまたすぐに行きたくなる「頻尿」、排尿してもスッキリしない「残尿感」、排尿時に痛む「排尿痛」、そして「血尿」。「頻尿や残尿感は炎症によって膀胱の知覚が過敏になるせい。炎症が膀胱の出口の近くにあると、排尿の終わりに痛みが出る。また、炎症のせいで血尿が出たり、膿(うみ)が混じって尿が白く濁ることもある」と嘉村部長。
しかし、細菌が膀胱に侵入しても必ずしも膀胱炎になるわけではない。「膀胱内で細菌が大量に増殖して炎症が起きる前に排尿すれば膀胱炎は成立しない。長時間トイレに行かないと菌が増殖し、発症リスクが高まる。睡眠不足、疲労など免疫力が低下している場合も発症しやすくなるので要注意」と嘉村部長。
生活習慣も重要な要因だ。「排尿・排便後に後ろから前に拭いている、月経中にナプキンを長時間替えないなどの習慣が引き金に」と巴教授は指摘する。
- 疲れはためていない?
膀胱炎は疲労や睡眠不足などで免疫力が落ちているときに発症しやすい。日ごろから十分な休養と睡眠をとり、免疫力を維持しておくことも大切。
- 便の拭き方はOK?
尿道口を汚さないために、排便後は前から後ろへ拭く習慣を心がけよう。拭き残しも膀胱炎の原因になるで気を付けて。
- 性交後に排尿している?
性交はデリケートゾーンに細菌が付着しやすい行為。なるべく早く菌の排除を。性交後は排尿するなどで、清潔を心掛けて。
- ナプキンはこまめに替えている?
月経血を吸収したナプキンは細菌が繁殖しやすい。特に経血量が少なくなる後半は、ナプキン交換をさぼりがち。月経の間はこまめに替えよう。
おしっこを我慢したら膀胱炎になる?
×なりません
おしっこを我慢するだけでは膀胱炎にはならない。「膀胱に細菌が侵入してしまった状態で長時間排尿せずにいると、細菌がどんどん増殖して、膀胱炎を発症してしまうことがある」(嘉村部長)。細菌を侵入させないことが大切だ。
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