手術時期は妊娠がカギ
筋腫は手術で取っても、月経のある間は再発しやすい。何度も手術をしなくてもいいように手術時期を決めることが重要だ。「年齢や、いつ妊娠を希望するかなどで検討する。妊娠率が低下してくる30代後半以降は、いつでも妊娠できるように手術を急ぐこともある」と百枝部長は話す。
妊娠を望まない場合は、お腹を切らない新しい治療法も登場している。
一方、卵巣のう腫は薬物療法が効かないので、手術が第一。「のう腫は卵巣の良性腫瘍だが、それが本当に良性かどうかの最終判断は、のう腫自体を取って調べるしかない。中には前がん病変があったりすることもあるので、早めに対処したほうがいい」と森田教授。
また、のう腫が5cm以上になると、「茎捻転(けいねんてん)」といって、突然のう腫がねじれて激しい腹痛を起こすことがある。「こうなると卵巣自体を取らざるを得なくなることも。妊娠を希望する人は、のう腫だけ取って卵巣は残すのがベスト。主治医とよく相談して手術時期を決めて」と百枝部長はアドバイスする。
(取材・文:佐田節子/イラスト:いいあい)
(出典:日経ヘルス2013年8月号/記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)