排便時に出血したり、お尻が切れて痛んだり。「もしかして痔?」と思ったらがまんしないで早めに対策しよう。今すぐできるセルフケアから、根治を目的に行う“日帰り手術”まで、ぐんとラクになった痔治療の最新情報を紹介する。
痔は肛門疾患全体の約85%を占めるポピュラーな病気だ。
痔核(じかく:いぼ痔)、裂肛(れっこう:切れ痔)、痔瘻(じろう:あな痔)の3つがあり、この順に患者が多い。いぼ痔は男女差がないが、切れ痔は女性、あな痔は男性に多い。
いぼ痔には、肛門奥の粘膜にできる内痔核と、出口に近い皮膚にできる外痔核があり、どちらも静脈がうっ血してできる。「肛門管にはアナルクッションと呼ばれる静脈叢(じょうみゃくそう:静脈が密集する部分)があり、血流が豊富。肛門鏡で見ると誰でも粘膜が少したるんでいる。そこに出血、脱出、痛みなどの症状が加わったものが治療を要するいぼ痔」とこじま肛門外科三宮フラワーロード診療所の野村英明院長は説明する。
- 便秘または便が硬い
- お尻を拭いたら血がついていた
- 排便後に肛門がジンジン痛む
- 排便に時間がかかる
- 仕事で座りっぱなし、立ちっぱなしが多い
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