まだまだ男盛りの中高年に容赦なく襲いかかる体の悩み。医者に相談する勇気も出ずに、1人でもんもんと悩む人も多いことだろう。そんな人に言えない男のお悩みの数々を著名な医師に尋ね、その原因と対処法をコミカルで分かりやすく解き明かす。楽しく学んで、若かりし日の輝いていた自分を取り戻そう。

人の外観のイメージに姿勢は深く関わっている。背筋がピンと伸び、胸を張って歩いている人は、外向的でポジティブ。肩が落ち、背中を丸めている猫背の人は、内向的なイメージを持たれがちだ。
自分は大丈夫と過信してはいけない。姿勢は年齢とともに変化する。仲野整體東京青山の仲野孝明院長は、「若いうちは良い姿勢を保っていても、仕事勤めなどで運動不足が続くと猫背になってくることが多い」と話す。
しかも、その変化に自分は気づきにくい。身近な人に言われたり、スーツを仕立てるときに指摘されたりして初めて気づくという。仲野院長は「姿勢の矯正は、年を取るほど時間がかかる」と話す。いつまでもビシッとした男でいるためにも、若いうちから姿勢改善に取り組みたいものだ。
猫背は生活習慣の積み重ねで起こる
猫背は生活習慣の積み重ねで起こる。仲野院長は「現代のオフィスワーカーにとって、1日のうちで最も長く過ごす時間は椅子の上。そのときに姿勢が悪化することが多い」と話す。人間は、立って歩き回るときは、自然と背筋が伸びて背骨がS字状にカーブした正しい姿勢になる。そうでないと体が上手く使えないからだ。
それなのに、オフィスの椅子に座ったときは、パソコンの画面をのぞくために、頭が前に垂れ、キーボードを操作するために、肩がすぼめられて腕が前に出る。さらに骨盤の座骨が後ろ側に倒れて、背骨が丸くなる。典型的な猫背の姿勢といっていいだろう。
最初は、座っているときだけの一時的な変化だが、やがて立って歩くときにも肩がすぼめられて、背中が曲がった「ゾンビ」のような歩き方になる。こうした状態になると、イメージが悪いだけではなく、上手な体の使い方ができず、「体が重い」「運動が下手になった」「ケガをしやすくなった」といった症状を示すようになる。また「頑固な肩こり」「背中や腰の痛み」といった関節の痛みだけでなく、「疲れやすい」「血圧が下がりにくい」「夜によく眠れない」といった全身症状も出てくるから要注意だ。
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