3週間で「猫背習慣」を「猫背解消習慣」へ
とはいえ、こうした姿勢改善やストレッチの実施を、仕事中にずっと意識し続けるのは大変だ。仕事に追われて集中しているときには当然忘れてしまう。仲野院長も「忘れて当たり前」という。
仲野院長が患者などに勧めているのは、スマートフォンのアプリなどによる「リマインド機能」を用いて、1時間に1度知らせてもらうこと。そのときに可能であれば姿勢チェックや体操を行えばいい。そして、「それを3週間続けると、自然と正しい姿勢が身についていく」と話す。実際、多くの患者さんが姿勢の改善とともに、肩こりの解消などを実感しているという。
また、この「猫背解消習慣」は、猫背で困っている人だけでなく、運動不足などで体調に不安を感じている人にも効果があるという。「人間の体は、立って動き回るようにできていて、本来、長時間座るようにはできていない」(仲野院長)のだ。それと現実の行動とのギャップが、やがて変形性関節症や骨粗鬆症などのロコモティブシンドローム(運動器症候群)をもたらす原因となっている可能性もある。
仲野院長は「小学校の授業には必ず体育の時間があるように、大人も座ったら立って運動する時間が必要です。週1回は本格的に体を動かす日を設けるなど、人間本来のバランスに近づけるような生活を心がけてほしい」と話す。
仲野整體東京青山 院長、姿勢治療家
