
年齢とともに「いつかは自然に訪れる」症状。それが「勃起力の低下」だ。ED改善薬を使った治療法があることは何となく知っているが、なかなか認めたくない。それが「オトコのプライド」に関わっているからだ。そして、「仕事が忙しく、ストレスがたまっているから」「最初はちゃんと硬くなるし、フィニッシュできる」「妻も淡白だから」「もう子供は2人いるし」などといって、問題を先送りしがちだ。
それに対して順天堂大学医学部附属・順天堂医院泌尿器外科の堀江重郎教授は、「EDとは、陰茎を勃起させる海綿体へ血液を送り込む機能が低下した状態。いわば血管の病気」と話す。勃起に関わる血管は細いので、40代前半以降になると動脈硬化などのサインとして症状が現れ始める。性病のように、ちょっと後ろめたい気持ちを感じる必要もないし、若さの喪失を示すわけでもない。堀江教授は「医師のアドバイスと治療を受けることで、生活の質全体を高めることにもつながる」と話す。
では、どんな状態の時に「もしかしたら自分もEDかも」と疑い、病院のドアを叩けばいいのだろうか。例えば、中高年になれば誰にでも生じるのが、セックスの最中に勃起度が低下してしまう「中折れ」が起こるものの、最終的には満足して終えることができるという状況。最初から最後までフルスロットルだった若い頃を考えると、なんだか寂しくなってしまうが、こんな程度でも相談に乗ってくれるのだろうか。
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- EDは「国際勃起機能スコア」などで診断