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誰にも言えない…オトコのお悩み相談室

隠れ「痔主」のオレ。痛みは時々だけど病院に行くべき?

日本人の3人に1人が抱える痔の治療のタイミングは?

 荒川直樹=科学ライター

出血したら、まずは肛門疾患の専門医に

 痔核の症状は4段階でまとめられる。まず内痔核が成長しはじめたころ(1度)は、ほとんど自覚症状がない。排便時にいきんだりをくり返していると、内痔核がうっ血してパンパンの状態になる。そんなときに硬い便を無理やり出そうとすると、水風船が破裂するように出血。便器が鮮血で真っ赤になったり、肛門からポタポタと血が落ちたりする。

内痔核(いぼ痔)の症状の進み方
内痔核の分類主な症状
1度・痔核の脱出はない
・痛みはなく、排便時に出血することが多い
2度・排便時に脱出するが、自然に戻る
・出血があり、痛みも出てくる
3度・脱出して指で押し込まないと戻らない
4度・指で押し込んでも戻らない
・粘液がしみ出して下着が汚れる

 ふだん血を見慣れない人にとってはショッキングな出来事だが、この段階では腫れや出血を抑える軟膏、坐剤などの対症療法で治療する。しかし、この「痔との出合い」ですべきことは非常に重要だ。山名部長は「直腸がんや、出血を伴う炎症性疾患の可能性もある。少量でも出血したら一度、肛門疾患の専門医を受診して欲しい」と話す。痔のケアなどについてもアドバイスを受けるといいだろう。

 痔核は加齢とともに成長を続ける。やがて排便時に痔核の先が肛門から脱出するようになる(2度)。このときの出血の頻度や痛みは患者によって異なる。そして、症状が進むと、痔核の脱出が自然には戻らず、手で戻すようになる(3度)。

 最終的には指で押しても脱出が戻らなくなる(4度)。椅子に長時間座れない、粘液が染み出て下着を汚すなど、生活に大きな支障をきたすことになる。

注射、手術の選択は自分の判断を優先

 痔で悩む人の多くは、市販薬などでケアしている人もいると思うが、いつ、どの段階で専門医に相談し、手術など本格的な治療を受けたらいいのだろうか。

 山名部長は「内痔核は、がんのような悪性疾患ではない。治療の選択は患者自身がどれぐらい症状で困っているかによる」という。外科的治療のボーダーラインは2度と3度の間だ。3度になって「トイレの後、シャワーで洗ってから手で戻す」という状態でも「まだ大丈夫」と答える人もいれば、2度でも「脱出すること自体に耐えられない」「常に痛いのが苦痛」という人もいる。要は患者の判断が優先されるということだ。

 外科的治療は手術治療と注射治療がある。手術は「結紮(けっさつ)切除」といわれるもので、痔核のある部分だけを切除し、粘膜を残す方法が主流だ。かつては「手術のなかでいちばん痛い」といわれた痔核の手術だが、麻酔方法なども進歩しているので、以前に比べれば痛みはだいぶ軽減されたという。

 なお、「仕事を休めない」という人のために「日帰り手術」や「1~2泊手術」なども登場しているが、手術を選択する際には知っておきたいこともある。山名部長は「肛門は、排便による刺激を避けられないことから、体の中で最も安静にしにくい部位の1つ。細菌も多いので傷口がふさがれるのに5~6日はかかる。1週間は、できるだけ安静を保っていただきたい」という。

 また、切らずにいぼ痔を治す治療として知られるようになったのが「ジオン注射」だ。タンニン酸と硫酸アルミニウムカリウムという成分を、痔核に正確に注射する。注射後、痔核には炎症が起こるが、治っていく過程で硬くしまった組織になり、痔核が脱出しにくくなるという治療法だ。ただ、痔核を取り除く治療ではないので、脱出が再発することもある。山名部長も「症状を完全に解消したい人なら手術の方が向いていることもあるので、担当医とよく相談してほしい」と話している。

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