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誰にも言えない…オトコのお悩み相談室

50代で尿漏れ、叔父は前立腺がん…もしかして自分も?

PSA検診で前立腺肥大か、前立腺がんかを見極め

 荒川直樹=科学ライター

患者にやさしい前立腺がんのロボット支援手術

 手術治療による完治を目指すことを選択した場合、知っておきたいのは前立腺がんにおける最新の手術治療だ。それが「ロボット支援腹腔鏡手術」(ダヴィンチ手術)である。

ダヴィンチ手術の実施風景
手術室でロボットを遠隔操作する堀江医師(順天堂医院)など
患者サイドでは助手も患部の3D画像を共有(写真提供:順天堂医院)
[画像のクリックで拡大表示]

 ダヴィンチは、腹腔鏡手術用に開発された手術支援ロボットだ。一般的な腹腔鏡手術というのは、まず、体に5~6カ所の穴をあけ、そこから内視鏡やメス、鉗子(かんし)を挿入。医師は腹腔鏡の画像を見ながら、メスや鉗子を操作して手術を行う。それに対してダビンチ手術では、メスや鉗子を動かすのは4本の腕を持つロボットであり、医師はコンソールという装置に座りロボットを遠隔操作する。

 堀江教授は「かつての内視鏡手術では、医師は無理な体勢でメスや鉗子を操作することも多かったが、ダヴィンチでは楽な姿勢で手術が行える。しかも、患部の拡大表示などロボットの支援機能が充実して、より微細な手術が正確に行えるようになった」と話す。

 こうしたダヴィンチ手術の特長は、前立腺がんの根治治療に非常に適したものと言える。前立腺は、排尿をコントロールするのに重要であると同時に、その外側は勃起を起こす神経によりタケノコの皮のように包まれている。そのため前立腺がんの摘出手術を行うと、神経や筋肉が傷つき、手術後に尿失禁や勃起障害(ED)を生じるリスクがあったのだ。

 「ダヴィンチでは、前立腺を包む神経を丁寧に前立腺から剥がしたり(神経温存手術)、排尿機能に重要な筋肉を損傷しない手術が可能になった」と堀江教授。排尿や性生活など治療後のQOL(生活の質)の高い治療といえるだろう。

ダヴィンチ手術の特長
□傷口が小さく、患者の痛みが小さい
□手術時間が短く、回復が早い
□入院期間が短い
□手術後、排尿が早く回復する
□手術後、勃起機能が早く回復する

 前立腺は、膀胱の下にある小さな臓器だが、前立腺肥大や前立腺がんになりその機能を損ねると、QOL(生活の質)を大きく落としかねない。日ごろから、自分の排尿の状態に気を配るとともに、定期的なPSA検診を受けておきたい。

堀江重郎(ほりえ しげお)さん
順天堂大学医学部附属・順天堂医院泌尿器外科 教授
堀江重郎(ほりえ しげお)さん 1985年、東京大学医学部を卒業。東大病院勤務後、米国テキサス州で医師免許取得。2003年に帝京大学医学部泌尿器科学・主任教授に就任。12年から順天堂大学医学部泌尿器外科学・教授。日本泌尿器科学会指導医。日本抗加齢医学会副理事長。一般向けの著書に『ヤル気がでる! 最強の男性医療』(文藝春秋)、『男性の病気の手術と治療―診察室では聞けない前立腺・ED・がんの心得』(かまくら春秋社)、『うつかな?と思ったら男性更年期を疑いなさい』(東洋経済新報社)などがある。

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