漂白作用のあるジェルを毎晩塗布
ではすべての歯の色を薄くする方法なんてあるのだろうか。坪田院長は「これまで審美歯科という領域では、歯のホワイトニングに関するさまざまな手法を開発してきたが、通院を含めた利用者の負担が最も少なく、効果が確実な方法と考えられるようになったのが『ホームホワイトニング』だ」と話す。
ホームホワイトニングでは過酸化尿素という成分を10%含んだ透明なジェルを使用する。過酸化尿素は歯の表面で、体温により少しずつ分解して過酸化水素を生じる。過酸化水素は食品加工の過程において殺菌剤・漂白剤としても用いられる成分で、歯に浸透することでエナメル質、さらには象牙質の着色成分を分解していくというわけだ。
ホワイトニングの手法のなかには、過酸化水素を歯科医院で塗布するという手法(オフィスホワイトニング)もある。すぐに結果を出したい方には、向いている場合もあるが、白くする効果や色が後戻りしにくいという点では、ホームホワイトニングの方がコストパフォーマンスが高い。
ホームホワイトニングでは、まず利用者は歯科で口腔内の検査を行った後、歯の色調を検査。その後歯型をとる。数日後、利用者の歯全体にぴったり被さる柔らかい樹脂製のトレー(マウスピース)ができてくる。
その後のホワイトニングは、利用者自身が夜眠っている間に行う。トレーに適量のジェルを注入し、上下の歯に被せるのだ。トレーは朝起きたときに外すだけ。特に身体上の問題はないが、外した後、1時間ほどはコーヒーなど色の濃い飲食物を避ける方がよいとされている。
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