歯磨きしても歯の変色は取れない
歯の色に不満を感じたとき、多くの人が挑戦するのがホワイトニング効果をうたった歯磨き剤を使うことだ。薬用ハイドロキシアパタイトという成分を含んだ歯磨きなどが代表で、歯の表面の汚れを落とすとともに歯の表面の再石灰化を促し、色を白く見せるというものだ。
これらは歯表面の着色成分を落とすなど一定の効果はあるが、歯全体の色調を大幅に改善し、幼児の歯やテレビに登場する芸能人の歯のように白くすることはなかなか難しい。
坪田院長は「そもそも、なぜ歯が黄ばむのか。そのメカニズムを知っていて欲しい」と話す。誰でも一度は聞いたことがあると思うが、歯は中心部に象牙質という比較的軟らかい部分があり、それを白く半透明な結晶構造を持ったエナメル質が覆っている。年齢とともに歯の色が変わるのは、飲食物によってエナメル質の内部が着色してくるだけでなく、じつは象牙質の色も変化し、半透明のエナメル質を通して、その色が見えるからなのである。
だから表面のエナメル質をいくら磨いても歯全体の色調はそれほど変化しない。むしろ磨きすぎはマイナスだ。坪田院長は「早く白くしようと研磨剤の入った歯磨きをつけ過ぎて磨くと、エナメル質を薄くし色を濃く見せるだけだ」と指摘する。それ以外の歯磨きでも、磨きすぎは歯肉を退行させ見た目を老けさせるほか、知覚過敏などの原因にもなりかねない。
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