まだまだ男盛りの中高年に容赦なく襲いかかる体の悩み。医者に相談する勇気も出ずに、1人でもんもんと悩む人も多いことだろう。そんな人に言えない男のお悩みの数々を著名な医師に尋ね、その原因と対処法をコミカルで分かりやすく解き明かす。楽しく学んで、若かりし日の輝いていた自分を取り戻そう。
4月からコールセンターの業務統括担当になった46歳。派遣社員も多く服装はかなり自由だ。オレもクールビズをきっかけに、愛用のネクタイにおさらばしてオープンシャツを着用。「朝礼」のときに颯爽と披露したのだが、大半の女子スタッフがうつむきっ放し。呆然としていると、リーダー格の女子から「部長!ボタンは一番上までね」と叱られてしまった。襟元からのぞく「ちょっぴり自慢の胸毛」がここでは御法度だったのだ。しかも、休憩室の前を通ったとき偶然聞こえてきたのは「ホモ田部長、腕の毛もキモいよね」。ホ、ホモ田…?。オレは体毛で男らしさを誇示しているわけじゃな~い。

毛深い男達にとって「昭和」はパラダイスだった。銀幕のセックスシンボルといえば、ショーン・コネリーやバート・レイノルズなど。腕に蚊が止まろうものなら、剛毛に絡まって脱出不能になりそうな男達だ。日本のスーパースター、加山雄三や長嶋茂雄も胸毛がチャームポイントだった。
それに対して平成の世では「暑苦しい」などと体毛は嫌われがち。女子高生からおばあちゃんまで、女性の人気を独占している男性アイドルたちは胸毛どころかスネ毛だってNGだ。そして、濃い体毛にコンプレックスを抱いている若者たちに人気なのが脱毛だというが、中高年のお悩み解決にもなるのだろうか。
「ツルツル」ではなく、「適度な脱毛」
そこで脱毛治療を行っている銀座ケイスキンクリニックの慶田朋子院長に尋ねてみると、「男性の脱毛は、医療技術の進歩もあり、ここ数年で広く社会的に受け入れられるようになりました。さまざまな年代の方が相談に来ます」という答えが返ってきた。しかも男性の場合、皆が「ツルツルにしたい」わけではなく、適度な脱毛で「毛を剃る手間を省き、肌荒れを防ぎたい」という目的のようだ。
慶田院長は「例えば、ヒゲファッションにこだわっている男性は、毎朝、格好良く整えるのが大変です。そこで頬など、ヒゲが生えて欲しくない部分だけ脱毛処理することもあります」と話す。
このほか、客と対面するサービス業、特に飲食店で接客を担当する男性が、客に不快感を与えたくないという理由から、腕の剛毛を少なくしたケースもあるという。そして、やってみると案外自分もスッキリしたりするのが脱毛。「私の夫もヒゲや体毛が濃く、かつてはとんねるずのコントに出てきた“保毛尾田保毛男(ほもおだほもお)”みたいでしたが(笑)、脱毛が気に入ってしまい、現在ではツルツル人生を楽しんでいます」と慶田院長。さて男性向きの最新脱毛とはいかなるものか。
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