カミソリ負けの症状は3タイプ
菊池院長は「一言で“カミソリ負け”と言っても、その症状は“肌荒れ”という言葉と同じぐらい漠然としている」と話すが、分類すると3タイプに分けられると言う。
タイプ1:主に皮膚バリアが損傷
軽度のカミソリ負けのほとんどがこの段階で、ヒゲ剃りによって皮膚バリアが損傷された状態だ。ヒリヒリとした刺激を感じやすく、アルコールの入った化粧水などを付けると刺すような痛みを感じることもある。ヒゲ剃り後の、肌の赤味がなかなか取れないこともある。
菊池院長は「カミソリ負けの初期段階と言ってもいい。とくに冬など空気が乾燥した環境では、皮膚の潤いがなくなり角質が毛羽立つために、カミソリを当てることではぎ取られやすい」と話す。
タイプ2:ニキビ(ざ瘡)、吹き出物が出る
タイプ1の症状が進むと、バリアの損傷された皮膚の毛のう(毛穴の奥で毛根を包んでいる場所)に細菌が入りこみ、ニキビ、吹き出物など「毛瘡」(もうそう)と呼ばれるプツプツとした腫れ物ができる。多くは、ニキビと同じアクネ菌によるものだが、黄色ブドウ球菌などが感染すると「おでき」のように腫れてしまうことも。このカミソリ負けは、毎日のヒゲ剃りによって悪化しがちなため治りにくい。
タイプ3:その他のカミソリ負け
皮膚のバリアが損傷されることで、アレルギーによる発赤(はっせき:炎症により充血して赤くなった状態)、かぶれなどの皮膚症状が起こることもある。カミソリの刃にも使われるニッケル、コバルト、クロムなどの金属によるアレルギーや、洗顔せっけん、髭剃り用フォーム、アフターシェーブローションによるアレルギー性皮膚炎などがある。
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