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誰にも言えない…オトコのお悩み相談室

不妊に悩む妻、実は原因はオレにあるのかも…

男性の積極的な不妊治療が女性の体を守る

 荒川直樹=科学ライター

 永尾センター長は「精索静脈瘤は、精巣内の温度を高くしたり、有害物質が逆流したりすることで、精巣が精子を作る能力を弱めてしまう」と話す。そこで、検査で精索静脈瘤が見つかった患者に行われるのが、血液の逆流を防ぎ、精子量を増やす手術治療だ。

 手術は腎臓に近い静脈を結んで閉じてしまう「高位結紮術」(こういけっさつじゅつ)と、精巣に近い部分を結んでしまう「顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術」がある。後者は、患者の負担が小さく再発も少ない手術だが、顕微鏡下で行う精密な手術であるため、永尾センター長をはじめ高度な技術を持つ一部の医師が取り入れ始めている。

結婚前の男性妊娠力チェックが必要な場合も

 永尾センター長は、精索静脈瘤の手術治療をはじめ、精子の産生にかかわるホルモンに異常がある人のホルモン治療など、さまざまな方法で患者の総運動精子数を増やす取り組みを行ってきた。「精液検査で体外受精が必要とされてきた男性が、通常の性行為で妊娠できるまでに回復したケースを多く見てきた。男性の不妊治療を積極的に行うことが、男性のみならず女性の体を守ることにつながると確信している」と話す。

 また、精子数の減少には全く原因が分からない場合もある。これから子供を作りたいと思っている男性に必要なことは、まずメタボリックシンドロームの予防のために生活習慣の改善に努めること。とくに喫煙は精子数に大きな影響を及ぼすという。また永尾センター長は「日ごろから、自分の陰嚢(特に左側)に関心を持つ。腫れていたり、サイズが変わるなど気になることがあれば、泌尿器科で相談して欲しい」と話す。

 最近では、結婚前の独身男性が精液検査を受けに来ることも増えたという。婚約者が「どうしても子供が欲しい」と考えている場合、不妊は夫婦生活の妨げになることもあるからだ。自分の妊娠力を知る。それは男性にとって重要な健康指標になるのかもしれない。

永尾光一(ながお こういち)さん
東邦大学医学部泌尿器科学講座 教授。同大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター センター長
永尾光一(ながお こういち)さん 昭和大学医学部で形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学医学部で泌尿器科学を専攻し、両方の診療科部長を経験(二つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域(主に陰茎・陰嚢)の形成外科的手術。趣味はサッカー・野球観戦。

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