病院で精液検査を受けるのが第一歩
男性不妊の原因には、そもそも性行為が成立しない勃起障害(ED)、精巣で作られた精子が精液になる途中に原因があるもの(精路閉塞など)、遺伝的な要因(染色体異常)などさまざまだが、実は最も多いのは「原因が分からないまま、精巣で精子を作る機能が低下していること」だという。
だから通常に性行為を行っているのに、なかなか子供ができないという場合、まずは精液検査を受けることが大切だ。精液検査は精液を分析し、「精子量」「精子濃度」「総精子数」「運動率」「正常形態率」「総運動精子数」などを調べる。
■精液量 | 1.5mL以上 |
■精子濃度 | 1500万/mL以上 |
■総精子数 | 3900万以上 |
■運動率 | 40%以上 |
■正常形態率 | 4%以上(奇形率96%未満) |
■総運動精子数(総精子数×運動率) | 1560万以上 |
この検査は精液を提出するだけだが、永尾センター長は「医療機関によっては自宅で採取した精液を持ち込む場合もあるが、本来は病院で採精(精液を提出すること)して欲しい」と話す。これは時間経過、温度変化、紫外線などの影響で、精子の運動率が正確に測定できないため。採取してから検査までの時間は30分後から1時間の間がよいとされる。
医療機関で検査の予約をしたら、検査日から逆算して3日の禁欲期間(射精しない期間)が必要だ。「病院じゃ緊張して、量が足りなかったりしないか」という心配は無用だ。例えば、東邦大学リプロダクションセンターのホームページによると、ソファーの用意された個室が用意され、「性的刺激としてのビデオを見ることができ、グラビア本の持参も可能」とあるので、安心して受診することができそうだ。
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- 総運動精子数が少なくても改善手段あり