まだまだ男盛りの中高年に容赦なく襲いかかる体の悩み。医者に相談する勇気も出ずに、1人でもんもんと悩む人も多いことだろう。そんな人に言えない男のお悩みの数々を著名な医師に尋ね、その原因と対処法をコミカルで分かりやすく解き明かす。楽しく学んで、若かりし日の輝いていた自分を取り戻そう。
なんで髪の毛は白くなるのだろう。「実は毛髪は、もともと黒いわけではありません」と松倉クリニック・メディカルスパの松倉知之院長は語り出した。毛髪は毛穴の奥にある毛母細胞によって作られるが、その周囲には黒い色素であるメラニンを作り出す「メラノサイト」という器官が存在する。メラノサイトが作り出す色素を取り入れることによって、髪は黒くなるのだ。ちなみにメラノサイトには、真っ黒な色素を作り出すものと、黄色い色素を作り出すものがあり、その量の違いが茶色~黒といった髪色の違いになるというわけだ。
メラノサイトの機能が低下すると白髪ができる
そして、加齢、病気、薬剤の副作用など、なんらかの原因でメラノサイトの機能が低下すると、メラニンを作ることができず、白髪になっていく。このメラノサイトの機能を元に戻すのは難しい。
「メラノサイトが機能を失うメカニズムなど、完全には分かっていないことが多い」と松倉院長はいう。これまでいくつかのメーカーが白髪の改善を狙った成分を含む育毛剤などを開発してきたが、期待通りの効果を上げているとは言えない。
では、白髪に対してどう向き合ったらいいのか。松倉院長は、「理由は分からないものの、普段の生活習慣が関与している場合、治療で改善することも少なからずあります。このとき白髪が警告している全身の状態に注意し、栄養や運動習慣などの見直しをすることが大切です」と話す。
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