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誰にも言えない…オトコのお悩み相談室

加齢臭と汗臭さにサヨナラ、爽やかオヤジと呼ばれたい

制汗剤や服のローテで匂いをマネジメントする

 荒川直樹=科学ライター

「加齢臭」は実はそれほど臭くない?

 ところで、よく女子社員が発する「加齢臭」という言葉も気になるが、体臭とどういう関係にあるのか。年を取っただけで匂うなら対処のしようもないが…。

 実は、この言葉は誤解して用いられていることがほとんどだ。事の発端は、2001年に国内の化粧品メーカーが「女性の体臭」の加齢変化を研究する過程で、若い人と比較して閉経後の女性や中高年以降の男性の体臭の中に「ノネナール」という物質が含まれていることを明らかにした。そして、メーカーの研究者は「体臭も加齢によって変化する」ことを示すために「加齢臭」という言葉を提案した。

 五味院長は「ノネナールは皮脂に含まれる9-ヘキサデセン酸が酸化されてできる物質で、細菌が皮脂やタンパク質を分解してできる強い匂いではない」という。その匂いは「油っぽい、青臭い匂い」と表現されることもあれば、「日向(ひなた)の匂い」と表現されることもある。五味院長の調査によると、若い人の中には「おばあちゃんの匂い」と加齢に関係した表現をする人もいるが、同時に「どこか懐かしい匂い」と話す人もいたそうだ。ちなみに食品科学の世界でノネナールは「ソバ」や「麦芽で作ったビール」の香りの重要な構成要素だ。

加齢臭の対策は顔の後ろ側の洗浄から

 問題は「加齢臭」というネーミングがインパクト絶大だったこと。いつの間にか自分にとって気に入らない中高年の匂いはすべて「加齢臭」と言い放つ女性が増えてしまった。急な出張で着替えがなかったときも、飲み屋にしみついたタバコとアルコールの匂いも、みんな「加齢臭」というわけだ。

 あまりしつこく言われるとイラッとするが、そこは男だから包容力で受け止めよう。まずは「ごめんね。でも加齢臭じゃないもん」と心のなかでつぶやき、生活改善に努める。特に後頭部や耳の後ろ、首筋などの脂っぽい匂いは加齢臭と思われがちなので、毎日、シャンプーついでに丁寧に洗おう。

体臭は生活習慣からでも改善できる
□運動でよい汗をかくことで、汗腺と皮脂腺を清潔に保つ
□毎日のシャワーか入浴で、皮脂腺の活動が活発な部位をしっかり洗う
□自分でもわきの臭いが分かるときは、薬用石鹸や制汗剤などを利用する
□汗をかくときは着替えの下着を用意する
□毎日、スーツにスチームをかけるなどのケアを行う
□履いた靴には消臭スプレーをかけ、2日ほど休ませる
□緑黄色野菜などを積極的に摂り、体の抗酸化作用を保つ

 また五味院長は「肥満や糖尿病などメタボリックシンドロームが進むと、皮膚の抗酸化作用も低下して、それが原因で加齢臭を強める可能性がある」と話す。加齢臭が気になったら、メタボ対策にも取り組みたい。汗のケアから体質改善まで、生活習慣を含むトータルな匂いのマネジメントを身につけて“爽やかオヤジ”を目指そう。

(次回は、尿の出方が悪いというお悩みに答えます)

五味常明(ごみ つねあき)さん
五味クリニック院長、医学博士、流通経済大学客員教授
五味常明(ごみ つねあき)さん 1949年、長野県生まれ。一ツ橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。昭和大学形成外科などで形成外科学、および多摩病院精神科等で精神医学を専攻。ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践。ワキガの治療法として、患者が手術結果を確認できる「直視下剥離法(五味法)」を確立。 99年からは、ケアマネージャー(介護支援専門員)として、デイケア事業や、高齢者介護の現場での臭いのケアにも取り組む。近著に『なぜ一流の男は匂いまでマネジメントするのか?』(かんき出版)がある。

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