まだまだ男盛りの中高年に容赦なく襲いかかる体の悩み。医者に相談する勇気も出ずに、1人でもんもんと悩む人も多いことだろう。そんな人に言えない男のお悩みの数々を著名な医師に尋ね、その原因と対処法をコミカルで分かりやすく解き明かす。楽しく学んで、若かりし日の輝いていた自分を取り戻そう。

フケには色々なタイプがある。粉雪のような細かいフケもあれば、日焼けした肌がはがれたような大きなフケもある。乾いたフケもあれば、脂っぽいものもある。毎日風呂に入りシャンプーしているにもかかわらず、フケがあるだけで「だらしない」「不潔」な印象になってしまうから困りものだ。
フケが多い人のことを「フケ症」などと呼ぶこともあるが、頑固なフケは「体質」として諦めなければならないのだろうか。髪をかき上げただけで白いフケがバラパラ舞うような「強者」の治療に日々対応している菊池皮膚科医院(東京都荒川区)の菊池新院長は、「フケは、いわば頭皮の肌荒れ。顔や手足の肌荒れにさまざまな原因があるように、フケ対策の第一歩も原因をつきとめることから始める必要がある」と話す。
頭皮の肌荒れとはどういうことなのか。
体の部位にかかわらず、皮膚の細胞は皮下組織で作られ、約4週間で自然に表面から剥がれ落ちる「ターンオーバー」(新陳代謝)を繰り返している。健康な皮膚では、要らなくなった表皮の細胞は入浴時など気がつかないうちに少しずつはがれ落ちている。しかし、皮膚が乾燥していたり炎症が起きていたりすると、目に見えるくらい大きな塊としてはがれる。これが頭皮で起きれば「フケ」となるわけだ。