日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > からだケア  > おとなのカラダゼミナール  > 「だまし絵」が人により違って見えるのは何故?
印刷

おとなのカラダゼミナール

「だまし絵」が人により違って見えるのは何故?

人が見ているのは“脳が編集した画像”だった

 北村 昌陽=科学・医療ジャーナリスト

聞きたかったけど、聞けなかった…。知ってるようで、知らなかった…。日常的な生活シーンにある「カラダの反応・仕組み」に関する謎について、真面目にかつ楽しく解説する連載コラム。酒席のうんちくネタに使うもよし、子どもからの素朴な質問に備えるもよし。人生の極上の“からだ知恵録”をお届けしよう。

 この女性の絵は、多くの方が一度は目にしたことがあるだろう。若い女性のななめ後姿と、歳老いた女性の横顔が入れ子になっているこの作者不詳の絵には「妻と義母」というタイトルが付いている。

だまし絵「妻と義母」
[画像のクリックで拡大表示]
若い女性のななめ後姿に見えたり、歳老いた女性の横顔に見えたりする。この絵にはさまざまなバリエーションがあるが、現在わかっている最古のバージョンがこれ。1888年のドイツの絵はがきに使われていたものだ。

 絵や図形のなかに、異なる見え方が隠されているこの種の絵は、「だまし絵」と呼ばれる。人によって見え方が違ったり、見続けているうちにふと見え方が切り替わったりする不思議さを楽しむ、一緒のトリックアートだ。

 同じものを見ているのに見え方が違うのは、考えてみると不思議な現象だ。いったいどんな仕組みで起きるのだろう。

 「心理学的には多義図形と呼びます。複数の見え方のうち、一方を脳が選ぶのです」

 こう話し始めたのは、日本女子大学人間社会学部教授の竹内龍人さん。だまし絵現象を通じて、人間の知覚のメカニズムを研究している。

 ほほう、脳が選択するのですか。

 「片方の見え方が意識に上がっているときは、もう一方の見え方が消える。2つの見え方を同時に見ることはできません。脳がスイッチを切り替えることで、同じ絵なのに、違うものに見えるのです」と竹内さんは言う。

複数の見え方を切り替える、脳のメカニズムがある

 見え方の個人差はなぜ生じるのか。一般には、自分が興味を持っている対象ほど見えやすいと考えられているそうだ。

 さらに、「脳機能の視点からは、『二つの見え方が切り替わりやすいかどうか』の個人差が注目されています」と竹内さんは話す。

 こちらの動画は、日本のグラフィックデザイナーが作成したもの。ダンサーのシルエットがクルクル回転している(ように見える)映像だ。

 あなたの目には、ダンサーがどちら向きに回っているように映るだろう?

錯視動画「Silhouette Illusion」
[画像のクリックで拡大表示]
グラフィックデザイナー茅原伸幸氏が作成した、シルエット動画。(実際の動画はこちら

1/5 page

最後へ

次へ

RELATED ARTICLES関連する記事

からだケアカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 強い足腰を維持するための「骨」の強化法

    健康長寿の大敵となる「骨の脆弱化」を予防するには、若いうちから「骨を強くする生活習慣」を取り入れていくことが大切だ。このテーマ別特集では、骨が弱くなるメカニズムや危険因子、骨を強く保つための生活習慣のポイントなどについて解説していく。

  • もの忘れと認知症の関係は? 認知症リスクを下げる生活のポイント

    年を取っても認知症にはならず、脳も元気なまま一生を終えたいと誰もが思うもの。しかし、「名前が出てこない」「自分が何をしようとしたのか忘れる」といった“もの忘れ”は、中高年になると誰もが経験する。⾃分は周りと比べて、もの忘れがひどいのでは? ひょっとして認知症が始まったのか? と不安になる人も多い。このテーマ別特集では、もの忘れの原因や、将来の認知症にどうつながるのか、認知症を予防するにはどうすればいいのかについて、一挙にまとめて紹介する。

  • 痛風だけじゃない!「高すぎる尿酸値」のリスク

    尿酸値と関係する病気といえば「痛風」を思い浮かべる人が多いだろう。だが、近年の研究から、尿酸値の高い状態が続くことは、痛風だけでなく、様々な疾患の原因となることが明らかになってきた。尿酸値が高くても何の自覚症状もないため放置している人が多いが、放置は厳禁だ。本記事では、最新研究から見えてきた「高尿酸血症を放置するリスク」と、すぐに実践したい尿酸対策をまとめる。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.