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おとなのカラダゼミナール

かさぶた…傷の治りに欠かせないのに、かゆくてはがしたくなるのはなぜ?

実はなくても困らない?

 伊藤和弘=フリーランスライター

実はかさぶたを作らないほうがいい?

 最初に触れた通り、かさぶたは傷を治すのに役立っていることは間違いない。一方で、どうしても必要なものでもない…という中途半端な存在だ。

 小川さんは「むしろ、かさぶたを作らないようにしたほうが痛みも少なく、きれいに治るんです」と指摘する。

 「かさぶたは傷を乾燥から守るためにできるわけですが、できれば傷の表面もかさぶたで乾燥させずに、湿潤環境を保つ創傷被覆材(バンソウコウ)を使うのがベスト。最初から使うほうが治りが早いですが、かさぶたをはがした後に貼ってもいいでしょう」(小川さん)。この治療法は湿潤療法と呼ばれる(参照記事:「皮膚の傷跡が残る場合と消える場合、何が違う?」)。

 かさぶたは傷を乾燥から守り、雑菌が入るのをカバーするために“やむを得ず”できるもの。厚いかさぶたは皮膚の再生を邪魔するマイナス面もある。それよりも、皮膚の再生を邪魔しない湿潤療法用のバンソウコウを使えば、かさぶたを作らないだけでなく、治りも早いという。

 ただし、傷口が乾かなければ何でもいい、というわけではない。湿潤療法は一歩間違えると細菌が大繁殖する危険もある。余分な浸出液を吸収し、菌の繁殖も防ぐように工夫された専用のバンソウコウを使おう。

まずは、流水で傷口をしっかり洗う

 同じく、かさぶたができただけで安心してはいけない。傷口が汚れていた場合など、かさぶたの下で菌が繁殖することもある。

 「熱を持っている、周囲が赤く腫れている、といったときは、かさぶたの下で菌が繁殖している可能性が高い。軽く考えず、すぐに病院に行ってください」と小川さん。

 怖い感染を防ぐため、まずは流水で傷口をしっかり洗うことをお忘れなく!

小川令(おがわ れい)さん
日本医科大学形成外科 主任教授
小川令(おがわ れい)さん 1974年生まれ。99年、日本医科大学医学部卒業。会津中央病院形成外科部長、米ハーバード大学研究員などを経て、2009年に日本医科大学形成外科准教授に就任。15年より現職。日本医科大学付属病院形成外科・美容外科部長。創傷治癒センター理事。東京大学医学部形成外科非常勤講師。著書に『瘢痕・ケロイドはここまで治せる』(克誠堂出版)など。

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