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おとなのカラダゼミナール

緊張すると「食べ物がのどを通らない」のはなぜ?

自律神経が決める、「唾液」の量とネバネバ度

 北村 昌陽=科学・医療ジャーナリスト

日ごろからおいしく味わって食べることが、究極の対策

 ところで植田さんは、脳卒中などが原因で摂食機能に障害を抱えた人の診療で、「食べる機能」の不思議さをしばしば体験するという。

 「医学的な診断では『機能障害のため自力で食べるのは無理』と判定されるような人でも、しばしば好物だけは食べられるのです」(植田さん)

 介護をしている家族などに聞くと、「何も食べられません、トロ以外は」などという答えが返ってくることも、よくあるそうだ。

 「要は、『食べたい』『おいしい』という気持ちがあれば、きちんと唾液が出て、すんなり飲み込める。摂食機能に問題がある人でさえ、そうなのです」(植田さん)

 うーむ。では逆に、健康なのに「食事がのどを通らない」のは?

 「『おいしく食べる』というところから、あまりにも遠ざかってしまった姿といえるかもしれませんね」(植田さん)

 植田さんは、自戒を込めてこんな話をしてくれた。

 「私自身、忙しい診療の合間に『何か食べておかなきゃ』と思ってパンをかじったりすると、味もろくに感じないし、飲み込むのにも苦労します。そんなときは、食べることを雑に扱ってはいけないと反省させられます」

 つまり、食を大切にして、じっくりと味わうことが、「食事がのどを通らない」現象への究極の対策ということだろうか。

 「そう思います。最近話題の、おじさん俳優が一人メシを味わうドラマがありますが、あんなふうに食べるのが理想ですね」

 ほーなるほどー。忙しい毎日の中で、毎食あそこまでやるのは難しいでしょうけれど、できるところから心がけていきましょう。

植田耕一郎(うえだ こういちろう)さん
日本大学歯学部摂食機能療法学講座 教授
植田耕一郎(うえだ こういちろう)さん 1983年日本大学歯学部卒。日本大学歯学部助手、東京都リハビリテーション病院医員、新潟大学歯学部加齢歯科学講座助教授を経て現職。日本摂食嚥下リハビリテーション学会理事長。著書『長生きは「唾液」で決まる 「口」ストレッチで全身が健康になる』など。

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