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おとなのカラダゼミナール

人はどうして、訳の分からない夢を見るの?

脳が記憶をランダムにつなぎ合わせて映像化していた

 佐田節子=ライター

長期間、繰り返し見る悪夢にはご用心

 ただ、そうは言っても怖い夢や嫌な夢を見ると、誰だって気が滅入る。悪夢も気にしなくていいのだろうか。福田さんはこう言う。

 「何かに追いかけられたり、襲われそうになったりして夢の中で怖い思いをするのは、決して珍しいことではありません。実は、夢の内容は基本的に悪夢が多いのです。夢を見ているときは、情動に関わる脳の扁桃体という部位が興奮しています。この扁桃体は、喜びなどのポジティブな刺激でも興奮しますが、やはり圧倒的に多いのは不安や恐怖などのネガティブな刺激による興奮。その強烈な情動体験によって生まれる夢が、まさに悪夢なのです」

 福田さんによると、そもそも夢の内容にかかわらず、夢を多く見ること自体、あまり健康的な眠りではないことの表れだという。夢は目が覚めたときに「見ていた」とわかるもの。夢を多く見るということは、それだけ中途覚醒が多いということでもあるのだ。そして、夢の回数が増えれば、悪夢を見る確率もおのずと高くなる。

 悪夢の多くは、全く問題のない“普通の悪夢”だが、なかには背後に心の問題が潜んでいるものもあるそうだ。普通の悪夢とは、例えば何かに追いかけられて怖い思いをするが、追いかけてくる対象はある時はお化けだったり、怪物だったりと常に変化する。

 ところが、精神的な問題がベースにある悪夢では、同じ内容の夢を繰り返し見てしまうことがある。この場合は、災害や戦争などの過酷な体験の後に起こる「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」のことも。トラウマ(心の傷)となった場面が睡眠中にもフラッシュバックして、悪夢となってしまうのだ。

 「また、悪夢を長期間、頻繁に見ている人は、孤独で抑うつ傾向が強かったり、自殺を考える傾向があったりすることも明らかになってきました。心当たりのある人は一度、精神科や心療内科で診てもらうといいでしょう」と福田さんは助言する。

レム睡眠では眼球が動き、夢を“見て”いる

 寝ている人を起こすと、必ず「ああ、今、夢を見ていた」と答えるタイミングがある。まぶたを閉じて眠っているのに、眼球が上下左右に忙しく動いているときだ。この急速眼球運動(Rapid Eye Movement=REM)を伴う睡眠を「レム(REM)睡眠」と呼ぶ。睡眠は、このレム睡眠と、急速眼球運動を伴わない「ノンレム睡眠」の大きく2つの状態に分けられる。どちらの状態でも夢は見るが、鮮明でストーリー性や動きのある複雑な夢を見るのは、レム睡眠中と言われる。一方、ノンレム睡眠時に見る夢は、ストーリー性のない静止画像のようなものが多いとされる。

 では、なぜ鮮明でストーリー性のある夢を見ているとき、眼球が動いているのだろうか。なんと、これは夢の中で何かを「見ている」からだという。国立研究開発法人 情報通信研究機構研究員の宮内哲さんは、脳内の血流変化を計測することで脳の活動状態を調べるf MRI(機能的磁気共鳴画像法)と脳波などを同時に使い、夢を見ている最中の脳活動を調べた。

 「レム睡眠中は暗い中で目を閉じて眠っているにもかかわらず、眼球運動に伴って脳の視覚野(視覚に関する領域)が活動していることが分かりました。明るい場所で覚醒して何かを見ているときと同じような脳活動が、眠っているときにも認められたのです。つまり、レム睡眠中には夢の中の像を目で追っていると考えられます」(宮内さん)

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