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おとなのカラダゼミナール

冷えるとおしっこが近くなるのはどうして?

「行きたくなったら5分我慢」で、過敏な膀胱をトレーニング

 北村 昌陽=科学・医療ジャーナリスト

出したくなったら「5分だけ我慢」

 では、そういう人は、どんな対策をすればいいのだろう。「まずは、自分でできる対策に取り組むといいでしょう」と関口さんはいう。

 それは、おしっこをしたくなった時に、ちょっとだけ我慢してみることだ。

 これは「膀胱トレーニング」と呼ばれる練習。「頻尿気味の人は早め早めにトイレに行くクセがあり、それが膀胱を一層過敏にしています。少しだけ我慢して、尿意をいったんやり過ごす練習をするのです」(関口さん)。

 最初は、尿意が起きてから5分、トイレに行くのを遅らせてみる。毎回やる必要はなく、無理のない範囲で実行すればいい。1週間ぐらいやって楽になってきたら、さらに5分遅らせる。こんな調子で少しずつ時間を伸ばしてみよう。

 「骨盤底筋トレーニング」もぜひ行うといい。女性には特におすすめだ。「女性の尿トラブルには、骨盤底部の筋肉の衰えが必ず関わっています」(関口さん)。ここの筋肉を意識的に動かして鍛えることで、ほとんどの尿トラブルが改善できるという。

 やり方は、肛門と膣を「キュッと締めては、ゆるめる動作」を何回か繰り返すこと。とりわけ、膀胱トレーニングでおしっこを我慢をしているときに行うと効果的だという。是非トライしてみよう。

尿トラブルを改善できる「骨盤底筋トレーニング」
[画像のクリックで拡大表示]
肛門と膣を「キュッと締めては、ゆるめる動作」(図の1~3)を2~3回繰り返す。

 冷えを解消するのも大切。室内では上着を羽織る、首や足首を覆う、エアコンの温度を調節するなど、体を冷やさない工夫をしてみよう。食べ物も、冷たいものや生ものを避けること。

 さらに、「頻尿の時は避けたほうがいい飲み物があります」と関口さん。コーヒーやお茶などカフェインを含むもの、柑橘系やトマトなどの酸味が強いジュース類は、膀胱を刺激したり、おしっこを増やす作用があるので、避けよう。

頻尿は、体の不調を知らせてくれるサイン

 関口さんによると、こういった症状は、健康を保つうえでむしろ役に立つものだという。

 「だれでも、体調が崩れたときによく出る“不調のサイン”がありますね。すぐお腹を壊すとか、口内炎ができるとか。冷えによる頻尿も、そんなサインの一種です。サインが出たときにきちんと体をいたわっていれば、長生きできるはずですよ」(関口さん)

 なるほど、体が不調を知らせてくれるわけか。そう言われると、なんだかありがたい気持ちになってくる。

 なお、ここで紹介した対策に取り組んでも症状が改善しない場合は、泌尿器科の診察を受けてみよう。過活動膀胱、間質性膀胱炎とも、薬による治療で改善が期待できる。

関口由紀(せきぐち ゆき)さん
女性医療クリニックLUNAグループ理事長
関口由紀(せきぐち ゆき)さん 1989年山形大学医学部卒業。横浜市立大学医学部泌尿器科助手、横浜市立市民総合医療センター勤務などを経て、2007年横浜市立大学大学院医学部泌尿器病態学修了。客員教授となる。一方で、1994年より漢方の大家、丁宗鉄師に師事して漢方を学ぶ。2005年、横浜元町・女性医療クリニックLUNAを開設。施設の拡大とともに、現在は理事長として、世界標準の女性医療を目指す、新しい日本の女性医療の拠点作りを行っている。http://www.luna-clinic.jp

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