日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > からだケア  > おとなのカラダゼミナール  > 「異性愛」か「同性愛」かは何で決まる?  > 2ページ目
印刷

おとなのカラダゼミナール

「異性愛」か「同性愛」かは何で決まる?

恋愛対象は体ではなく“脳の性別”が決めるものだった

 佐田節子=ライター

心の性別は脳の違いで決まる

 また、視床下部の少し上の方に位置する「分界条床核」(ぶんかいじょうしょうかく)という場所も、男女で違いがあるそうだ。ここは自分が「男である」と感じるか、「女である」と感じるか、いわゆる「性同一性」に関わる部位だという。

 この部分も男性の方が女性より神経細胞が多く、容積も大きい。異性愛男性でも同性愛男性でも、それは同じだそうだが、男性から女性に性転換をした人は、女性のように小さいことが確認されているという。つまり、体は男性でも、心は「自分は女性だ」と思っている、そのような場合は、分界条床核も女性型だと考えられるわけだ。

 「私たちは体の違いがそのまま性別だと考えがちですが、実は心(脳)にも性別があり、それは必ずしも体の性別とは一致しません。これは脳の中の構造に違いがあるからで、そういった脳の性差は『性的二型核』(せいてきにけいかく)と呼ばれています」と塚原さん。

 要は、「体が男で心も男」の人もいれば、「体は男でも心は女」の人もいる。女性の場合も、またしかり。体と心の性別の組み合わせを考えると、塚原さんは「少なくとも4つの性別があると言ってもいい」と話す。

心の性別は母親のお腹の中で決まる

 それにしても、なぜ体と心の性別が違ってくるのだろうか。それにはホルモンの働きが大きく影響しているという。

 そもそも性別は遺伝子によって決まることは、以前、理科の授業で習った記憶があるだろう。男女の性別は、お母さんの持つXX染色体と、お父さんの持つXY染色体の組み合わせによって決まる。XとXを受け継げば女の子、XとYを受け継げば男の子となる。

 「お父さんが持つY染色体には、『SRY』という性を決定する遺伝子があり、これを受け継ぐと精巣が形成され、男性になります。つまり、子供の性別を決めているのは、お父さん。お母さんのように子供を産むことはできませんが、お父さんも結構大事な役割を果たしているんです(笑)」と塚原さん。

 このような遺伝子による性別は、卵子と精子が受精した瞬間に決定するが、心の性別はお母さんのお腹の中にいるとき、胎生12~22週の頃にさらされる男性ホルモンによって決められるという。塚原さんはこう説明する。

 「この時期の胎児の脳は、性的に未分化な状態で、男性ホルモンの『アンドロゲン』の作用を受けて初めて男性化します。このアンドロゲンは胎児自身の精巣から分泌されるものです。女の子の場合は精巣がないので、アンドロゲンの作用を受けず、脳も女性化することになります。一方、男の子の場合でも、アンドロゲンが十分働かなかったりすると、脳が女性化し、遺伝子上の性別との不一致を招くことになるのです。ただ、このようなことがなぜ起きるのかまでは十分解明されていません」

 例えば、マウスなどの多産動物では、同時に何匹もの胎児が子宮内で育つことになるため、隣同士になる胎児が互いのホルモンの影響を受けやすいという。オスに囲まれたメスは、その兄弟のアンドロゲンに多少なりともさらされることになるため、生まれた後に“おてんば”になったり、逆にメスの姉妹に囲まれたオスはさらされるアンドロゲンの量が少ないため、“おしとやか”なオスになったりすることもあるというのだ。

RELATED ARTICLES関連する記事

からだケアカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 早期発見、早期治療で治す「大腸がん」 適切な検査の受け方は?

    日本人のがんの中で、いまや罹患率1位となっている「大腸がん」。年間5万人以上が亡くなり、死亡率も肺がんに次いで高い。だがこのがんは、早期発見すれば治りやすいという特徴も持つ。本記事では、大腸がんの特徴や、早期発見のための検査の受け方、かかるリスクを下げる日常生活の心得などをまとめていく。

  • 放置は厳禁! 「脂肪肝」解消のコツ

    人間ドック受診者の3割以上が肝機能障害を指摘されるが、肝臓は「沈黙の臓器」だけあって、数値がちょっと悪くなったくらいでは症状は現れない。「とりあえず今は大丈夫だから…」と放置している人も多いかもしれないが、甘く見てはいけない。肝機能障害の主たる原因である「脂肪肝」は、悪性のタイプでは肝臓に炎症が起こり、肝臓の細胞が破壊され、やがて肝硬変や肝がんへと進んでいく。誰もが正しく知っておくべき「脂肪肝の新常識」をまとめた。

  • 肩の痛みから高血圧まで、「姿勢の崩れ」は様々な不調の原因に

    「姿勢」が、肩こりや腰痛の原因になることを知っている人は多いだろうが、足の痛みや高血圧、誤嚥性肺炎まで、全身の様々な不調・疾患の原因になることをご存じの方は少ないかもしれない。これまでに掲載した人気記事から、姿勢と様々な病気・不調との関係について知っておきたいことをコンパクトにまとめた。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.