日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > からだケア  > おとなのカラダゼミナール  > 舌の筋力を維持すれば全身の衰えを防げる!?  > 3ページ目
印刷

おとなのカラダゼミナール

舌の筋力を維持すれば全身の衰えを防げる!?

会話や歌、さきイカの咀嚼で老化を防止

 伊藤和弘=フリーランスライター

外に出かけて人と会うことも大切

 舌も骨格筋のひとつである以上、歳を取れば衰えてくるのは仕方がない。歯が悪くて柔らかいものばかり食べていたり、人と話さない生活をしていたりすると、さらに舌の力は衰えていく。一般に舌の筋力は男性のほうが衰えやすいらしく、「女性の低下が抑えられているのは、お喋りだからかもしれません」と菊谷さん。

 すると、アナウンサーやお笑い芸人など、喋りのプロは舌の力も強いのだろうか?

 テレビ番組でお笑い芸人の舌圧を調べた菊谷さんによると、「さすがに舌圧が低い人はいませんでしたが、特別強いということもありませんでした」という。よく話すことで舌の力は維持できるが、手足の筋肉のように鍛えればどんどん強くなる、というものでもないらしい。舌に必要以上の筋力はいらないということだろう。

 では、舌の力をキープするにはどうしたらいいのだろう。菊谷さんに具体的なトレーニング法を聞いた。

(1)歯を維持する

 前に触れたように、ものを食べるのは舌と歯の共同作業。歯がなければ舌も活躍できないし、噛む回数が多いほど舌もたくさん動くことになる。貴重な歯を失わないように心がけて、少なくなってきたら早めに入れ歯などを入れてもらって対応しよう。

(2)人とお喋りをする

 舌が働くのは食べるときと話すとき。他の筋肉と一緒で、使わなければ衰える。高齢になると仕事もリタイアして人と話す機会が減ってくる。意識的に人と会うようにしよう。人と話す機会が多い人は、自然と口の健康に気を使うようになるので、それもプラスになる。

(3)早口言葉とカラオケ

 早口言葉は舌を鍛えるのに最適。また、カラオケもいい。どちらも「一生懸命やる」ことが大切で、自然と舌の筋力が高まるという。

(4)さきいかトレーニング

 さきいかを1本口にくわえる。舌を使って、まず右の奥歯で1回噛む。次に左の奥歯に運んで1回噛む。左右10回ずつやる。終わったら飲み込んでもいいし、無理に飲み込まずに捨てても構わない。朝、昼、晩と1日3セット行う。舌圧を高めることに加え、舌をたくみに動かすトレーニングにもなる。

 前に触れたように、舌の力が維持できるとサルコペニアの防止につながり、老化の進行を抑えられる。また、「咀嚼力が落ちると人と一緒に食事を楽しめなくなり、社会性にも影響する。舌圧や咀嚼力の低下は寝たきりへの第一歩ですよ」と菊谷さんは締めくくった。

菊谷武(きくたに たけし)さん
日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック 院長
菊谷武(きくたに たけし)さん 1963年生まれ。日本歯科大学卒業。同大学歯学部附属病院高齢者歯科診療科、同附属病院口腔介護・リハビリテーションセンター長、同大学助教授を経て、2010年教授に就任。12年より現職を兼務する。著書に『「食べる」介護がまるごとわかる本』(メディカ出版)、『認知症「食事の困った!」に答えます』(女子栄養大学出版部)など。

先頭へ

前へ

3/3 page

RELATED ARTICLES関連する記事

からだケアカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 強い足腰を維持するための「骨」の強化法

    健康長寿の大敵となる「骨の脆弱化」を予防するには、若いうちから「骨を強くする生活習慣」を取り入れていくことが大切だ。このテーマ別特集では、骨が弱くなるメカニズムや危険因子、骨を強く保つための生活習慣のポイントなどについて解説していく。

  • もの忘れと認知症の関係は? 認知症リスクを下げる生活のポイント

    年を取っても認知症にはならず、脳も元気なまま一生を終えたいと誰もが思うもの。しかし、「名前が出てこない」「自分が何をしようとしたのか忘れる」といった“もの忘れ”は、中高年になると誰もが経験する。⾃分は周りと比べて、もの忘れがひどいのでは? ひょっとして認知症が始まったのか? と不安になる人も多い。このテーマ別特集では、もの忘れの原因や、将来の認知症にどうつながるのか、認知症を予防するにはどうすればいいのかについて、一挙にまとめて紹介する。

  • 痛風だけじゃない!「高すぎる尿酸値」のリスク

    尿酸値と関係する病気といえば「痛風」を思い浮かべる人が多いだろう。だが、近年の研究から、尿酸値の高い状態が続くことは、痛風だけでなく、様々な疾患の原因となることが明らかになってきた。尿酸値が高くても何の自覚症状もないため放置している人が多いが、放置は厳禁だ。本記事では、最新研究から見えてきた「高尿酸血症を放置するリスク」と、すぐに実践したい尿酸対策をまとめる。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.