日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > からだケア  > おとなのカラダゼミナール  > 気圧の変化で体調を崩す人がいるのはなぜ?  > 2ページ目
印刷

おとなのカラダゼミナール

気圧の変化で体調を崩す人がいるのはなぜ?

“気象病”から逃れるための5つのコツとは…

 伊藤和弘=フリーランスライター

気圧が変動すると交感神経が優位になる

 気象病を引き起こすのは気温や湿度ではなく、“気圧”だという。

 佐藤さんは、かつて右手の親指を骨折し、今もときどき痛むという40代の男性に、気圧が変化する部屋に入ってもらったことがある。5分ごとに痛みを申告してもらい、1000~950ヘクトパスカルの範囲で気圧を上下させると、特に「気圧が変動する時間帯」に痛みが強くなることが分かった(下図)。

気圧が変動するとき、特に痛みが強くなる
かつて右手の親指を骨折し、今もときどき痛むという40代の男性に、気圧が変化する部屋に入ってもらい、5分ごとに痛みを申告してもらった。1000~950ヘクトパスカルの範囲で気圧を上下させると、特に「気圧が変動する時間帯」に痛みが強くなった。(データ提供:佐藤教授)
[画像のクリックで拡大表示]

 「内耳の前庭(三半規管の根元)に気圧センサーがあり、気圧が低くなると自律神経にストレス反応が起きて交感神経が優位になる。これが気象病の原因です」と佐藤さん。

 「例えば、乗り物酔いという現象があります。これは目から入ってくる情報があまり変化しないのに、体が揺れることで内耳が受け取る平衡感覚にズレが出てくることで脳が混乱する結果、血圧が下がり、気分が悪くなる。気圧センサーの感受性は人によって異なるのですが、気象病を起こす人は内耳が敏感なので、体が揺れていないのに気圧の変化により感覚にズレが生じて脳が混乱するのです」(佐藤さん)

 ちなみに気象病の人は、一般に乗り物酔いしにくいはずの飛行機や新幹線も苦手なことが多いという。

 「自動車や船に比べて揺れが小さいのに酔ってしまうんです。なぜかというと、飛行機では上昇降下の気圧の変化、新幹線ではトンネルの出入りの時の気圧の変化に体がついていけないからです」(佐藤さん)

 気象病の原因となる交感神経優位とは、すなわち緊張している状態のことだ。アドレナリンが分泌されているので、ケガをしても痛みを感じにくくなると言われる。ところが、「頭痛や古傷など慢性的な痛みの場合は、ストレスを感じて交感神経が優位になると強くなるんです」と佐藤さんは説明する。

 気圧が低くなると、交感神経が優位になることで、血圧や心拍数が上がる。逆に気圧が高くなると交感神経の活動が抑えられる(下図)。その結果、リラックスして心拍数が減り、痛みや不安などが少なくなる。ちょっとヘンな表現だが、晴れた日に気分がいいのも気のせいではないわけだ。

 さらに、気圧が下がるとヒスタミンの分泌が増えるという説もある。ヒスタミンは体内の炎症反応を促進する性質があるため、痛みや腫れが出てくることになる。

高気圧は交感神経の働きを抑える
気圧が低くなると、交感神経が優位になることで、血圧や心拍数が上がる。逆に、気圧が高くなると交感神経の活動が抑えられる。(データ提供:佐藤教授)
[画像のクリックで拡大表示]

 では、どうすれば気象病の症状を予防・改善できるのだろう? 佐藤さんに具体的な対策を聞いてみた。

RELATED ARTICLES関連する記事

からだケアカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 「中途覚醒が多く寝た気がしない」 中高年の睡眠の悩み解消術

    「睡眠の途中で何度も目を覚まし、眠った気がしない」「早朝に目覚めてしまい、その後なかなか寝付けない」――。歳をとるにつれ、そんな「中途覚醒」「早朝覚醒」に悩まされるようになったという人も多いだろう。なぜ中途覚醒は起きるのか。中途覚醒を解消して、若い頃のような「熟睡」を手に入れることはできるのか。このテーマ別特集では、中途覚醒の原因と、それを解消するための対策を一挙紹介していく。

  • 強い足腰を維持するための「骨」の強化法

    健康長寿の大敵となる「骨の脆弱化」を予防するには、若いうちから「骨を強くする生活習慣」を取り入れていくことが大切だ。このテーマ別特集では、骨が弱くなるメカニズムや危険因子、骨を強く保つための生活習慣のポイントなどについて解説していく。

  • もの忘れと認知症の関係は? 認知症リスクを下げる生活のポイント

    年を取っても認知症にはならず、脳も元気なまま一生を終えたいと誰もが思うもの。しかし、「名前が出てこない」「自分が何をしようとしたのか忘れる」といった“もの忘れ”は、中高年になると誰もが経験する。⾃分は周りと比べて、もの忘れがひどいのでは? ひょっとして認知症が始まったのか? と不安になる人も多い。このテーマ別特集では、もの忘れの原因や、将来の認知症にどうつながるのか、認知症を予防するにはどうすればいいのかについて、一挙にまとめて紹介する。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.