聞きたかったけど、聞けなかった…。知ってるようで、知らなかった…。日常的な生活シーンにある「カラダの反応・仕組み」に関する謎について、真面目にかつ楽しく解説する連載コラム。酒席のうんちくネタに使うもよし、子どもからの素朴な質問に備えるもよし。人生の極上の“からだ知恵録”をお届けしよう。

ふと鏡に目を向けた時、白眼が真っ赤に充血していて驚いたことはないだろうか。顔を近づけてのぞき込むと、白眼の中をうねうね走る赤い血管が浮かんで見えたりして、さらにギョッとすることも。出血? 何かの病気?! などと心配になる人もいるかもしれない。
「白眼が赤くなるのは、多くの場合、結膜充血。なんらかの原因で結膜の中の血管が太くなった状態です」。こう話すのは、日本医科大学大学院眼科教授の高橋浩氏だ。今回は高橋さんのガイドで、充血のしくみをひもといていこう。
「結膜」とは、白眼の表面を覆う膜のこと。まぶたの奥で折り返し、まぶたの裏側につながっている。
結膜の中には無数の血管が走っている。細い血管なので普段は見えないが、目が疲れたときなどには、血流量を増やして疲労回復を進めるべく、血管が太くなる。すると、白眼の中の血管が、肉眼でもくっきり見えるようになる。これが結膜充血だ。
なるほど。血管の太さって、そんなに変化するものなのか。
「血管が太くなる原因は、疲れ目以外にもあります。病気のサインのこともあるので注意が必要です」(高橋氏)
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- 感染、アレルギーによる充血は目の炎症
