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おとなのカラダゼミナール

あくびはなぜうつるのか?

親しい間柄ほどうつりやすいという研究報告も

 佐田節子=ライター

 「息を吸うことより、大きく口を開けることに意味があるようです。顎や気道を大きく動かすことで血流の促進などが生じ、脳が覚醒されると考えられています。なお、この説に基づくと、あくびがうつる理由は、“警戒心の共有説”となります。ぼんやりしている場合じゃないよと、周囲にもあくびを伝染させ、覚醒水準を上げて警戒心を呼び覚まそうとしているわけです」と大原氏。なるほど、群れで生きる動物は常に外敵への警戒心を維持しておく必要がある。進化の過程で、あくびがそんな役割を担うようになったとしても不思議ではない。

 「もっとも、あくびをすることで実際に覚醒水準が上がるのかというと、それほどでもないという報告もあり、この説が正しいかどうかは決着がついていません。専門家の間では今も論争が繰り広げられています。結局、あくびについては、まだ分からないことが多いというのが実情なのです」と大原氏は語る。

 日ごろ、何気なくしていたあくびだが、思った以上に奥は深い。

大原貴弘(おおはら たかひろ)さん
いわき明星大学人文学部心理学科 准教授
大原貴弘(おおはら たかひろ)さん 2002年、東北大学大学院情報科学研究科博士課程修了。いわき明星大学人文学部心理学科助手、講師を経て、2009年から現職。専門は実験心理学。論文に「行動伝染の研究動向:あくびはなぜうつるのか」(共著:いわき明星大学人文学部研究紀要第22号、2009年3月)、「あくび研究の新たな展開:あくびはなぜ出るのか?」(同26号、2013年3月)などがある。

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