日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > からだケア  > おとなのカラダゼミナール  > 人間も冬眠? 実現すれば究極のアンチエイジング法に  > 3ページ目
印刷

おとなのカラダゼミナール

人間も冬眠? 実現すれば究極のアンチエイジング法に

新しいメタボ予防法や健康長寿実現への応用も

 北村 昌陽=科学・医療ジャーナリスト

「冬季うつ症」は冬眠の名残かもしれない

 さて、同じ冬眠といっても、クマのそれはリスとかなり違う。体温は30度前後とかなり高い。もちろん平時の体温(37度ほど)よりは下がっているので、エネルギー消費量も普段よりは低いが、リスほどの低下ではない。クマはリスよりはるかに体が大きいので、最低限の生命活動を維持するために生じる熱で、ある程度の体温を維持できるようだ。

 そして脳波を測ると、睡眠中に似た脳波が出ている。だからリスのような睡眠不足にはならないようだ。このため、リスの冬眠を「深冬眠」、クマの冬眠を「冬ごもり」と区別することもある。

 人間の体格は、リスよりはクマに近い。「もし人類の祖先が冬眠していたとすれば、クマに似たスタイルだったでしょう」と山口さんは話す。

 「系統的にかけ離れたさまざまな哺乳類が冬眠するという事実を進化論的に考えると、『哺乳類の共通祖先は冬眠をしていた』という解釈が成り立ちます」と山口さんは話す。人間を含む9割以上の哺乳類は、その後の進化で冬眠しなくなったが、シマリスなどはその能力を現代まで受け継いだ、ということなのかもしれない。

 現在、人類は冬眠をしていない。だが、冬になるとうつ症状が強く現れる「冬季うつ」は、冬眠の名残ではないかという説がある。冬に体の活動性を低下させた作用の名残が、季節性のうつ症状として現れるというのだ。

 実際、ロシアなど寒冷地の農村では18世紀頃まで、冬になるとほとんど食事を摂らず、一日中暖炉のそばで寝て過ごす風習があったといわれる。食料事情が改善した現代ではもう見られないが、人体の中にも、そんなふうにして厳しい冬を耐える能力が、冬眠の痕跡として残っているのかもしれない。

RELATED ARTICLES関連する記事

からだケアカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 健康長寿の生命線! 放置は禁物 「腎臓」の異常値NEW

    生命維持に欠かせないさまざまな機能を担っている腎臓は、よほど悪くならない限り悲鳴を上げない「沈黙の臓器」でもある。本記事では、大切な腎機能が失われる前に、異常値にどう対処すればいいか、腎臓を守るためにはどのような生活習慣に気を付けていけばいいかについて解説する。

  • 加齢で進む胃の不調 機能性ディスペプシアと逆流性食道炎の原因と対策

    加齢により胃の機能が衰えると、さまざまな不調が起きる。ピロリ菌の除菌が進んで胃がんや胃潰瘍が減ってきた今、胃の病気の主役は、胃もたれや胃痛の症状を招く「機能性ディスペプシア」と、胸やけやげっぷが起きる「逆流性食道炎」の2つに移行しつつある。なぜ機能性ディスペプシアと逆流性食道炎は起きるのか、どのような治療が必要なのか、セルフケアで改善・予防できるのか。このテーマ別特集では、胃の不調の原因と、それを解消するための対策を一挙紹介していく。

  • 「中途覚醒が多く寝た気がしない」 中高年の睡眠の悩み解消術

    「睡眠の途中で何度も目を覚まし、眠った気がしない」「早朝に目覚めてしまい、その後なかなか寝付けない」――。歳をとるにつれ、そんな「中途覚醒」「早朝覚醒」に悩まされるようになったという人も多いだろう。なぜ中途覚醒は起きるのか。中途覚醒を解消して、若い頃のような「熟睡」を手に入れることはできるのか。このテーマ別特集では、中途覚醒の原因と、それを解消するための対策を一挙紹介していく。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.